
近年では、国を問わず子どもの視力低下が著しくなってきており、今後の“近視人口”の増大が世界中の関心事となっています。
どうして視力が下がってしまう子どもたちが増えているのでしょうか。最近では、その原因に「スマホ」が関係しているのではないかという声が出てきています。
そこで本記事では、時代ごとにみられる視力低下の要因を考察していきながら、スマホと視力低下の関係性について掘り下げていきます。
「子どもが日頃からスマホばかりいじっている」「最近、うちの子は目を細めてものを見ている」といったことにお心当たりのある方は、ぜひ参考としてご一読ください!
世界の子どもが危ない?たった10年でも大きく視力低下
文部科学省は2019年、現在の日本の子どもに関する驚くべき統計を発表しました。
それは「視力」に関するデータで、小学校から高校生までを含めた裸眼視力が1.0を下回る生徒の割合が、なんと過去最多を記録したのだそうです。
2000年と2019年のデータで「裸眼視力1.0未満0.7以上」の項目を年齢別に比較してみると、確かに子どもの近視が増大している傾向がみられます。
裸眼視力1.0未満0.7以上の割合(%) | ||
2000年時点 | 2019年時点 | |
6歳 | 12.97 | 13.46 |
7歳 | 10.45 | 12.47 |
8歳 | 9.44 | 11.14 |
9歳 | 9.16 | 10.03 |
10歳 | 9.71 | 10.32 |
11歳 | 9.16 | 8.15 |
12歳 | 11.29 | 10.54 |
13歳 | 11.26 | 10.07 |
14歳 | 11.34 | 12.04 |
15歳 | 13.59 | 10.58 |
16歳 | 1.72 | 8.22 |
17歳 | 10.38 | 8.41 |
(参考:学校保健統計調査 平成12年度 全国表および学校保健統計調査 平成27年度以降 全国表)
実は中国・韓国・シンガポールなどのアジア先進諸国でも、近視になる子どもが急増しているといわれています。
さらにもう少し視野を広げてみると、世界的にみても近視人口は増加の一途を辿りつつあり、2019年に公表されたWHO(世界保健機関)の報告書『World report on vision』では、22億人もの人々が視力に何らかの問題があることを指摘しています。
一体、何が起こっているのでしょうか。
時代ごとにみる視力低下の主な原因と一般的な対処方法
視力低下の原因を一つに特定することはできませんが、わたしたちの生活習慣と視力には、非常に深い関係があることは確かです。
ポイントは、家庭や仕事で普段からどのような目の使い方をしているかということ。わたしたちの生活に身近なツールやガジェットを通して考察すると、視力低下が社会・文化的な背景の影響下にあることが見えてくるかもしれません。
〇1980年代以降に登場したテレビゲーム
しばしば近視になってしまう生活習慣の一つに、「屋内での活動時間が長いこと」が挙げられます。
1980年代に登場し、多くの子どもを熱中させたテレビゲーム。これがきっかけで子どもたちの外で遊ぶ時間が相対的に減少してしまったとすれば、テレビゲームを視力低下の一因であると考えるのは決して不自然なことではありません。
1990年代以降は携帯型ゲーム機も続々と登場し、ますますゲームが身近になっていきます。当時の携帯ゲーム機はバックライトのない液晶画面で、暗いところでプレイすると非常に見にくいという欠点がありました。それでも子どもたちはゲームに熱中してしまいますので、これがまた近視の生徒を増やす原因になってしまったことは想像に難くないでしょう。
【対策方法】
・長時間連続してゲームをしない
・明るい部屋でプレイする
・ゲーム画面との適切な距離を保つ
〇2000年代以降にみられるパソコンの普及
視力低下の原因はテレビゲームだけではありません。1997年には普及率がたった6.4%に過ぎなかったインターネットが、1998年にはほぼ2倍となり、2000年代以降の家庭におけるパソコン普及率は急速に拡大していきました。
2000年代以降はノートパソコン市場も大きなシェアを占めるようになり、子どもから大人まで、幅広い年齢層の人々がパソコン画面と向き合う機会が多くなっていきます。
昔から「画面を一点集中で見続けると目のピントが固定されて、遠くにピントが合わなくなる」として近視のリスクを指摘されていましたが、その点でいえば、パソコンのある生活が当たり前のようになっていった2000年代は、テレビゲームと同様に、人々の視力低下を招いた一因になっていると考えることができます。
会社のIT化が著しく進展している現代は、一日の大半をパソコン作業で過ごすというのが珍しくない時代となりました。世界中で「今後も近視人口が増大していく」という懸念の声が広がっているのも十分に頷けますね。
【対策方法】
・パソコン画面との適切な距離を保つ
・長時間作業しない
・外で運動をする
・明るい部屋で作業をする
〇2010年代以降に到来したスマホの普及化
2010年代を「Appleの時代」として当時を振り返る方もいらっしゃるのではないでしょうか。日本では「iPhone4」を皮切りに、爆発的にスマートフォン(以下:スマホ)が普及していったと言われています。
音楽再生、動画視聴、動画撮影、ゲーム、SNS、メール、インターネット、電子決済など……スマホはわたしたちの生活を一変させると共に、これまでになかった新しい問題を生み出したツールだといえるでしょう。
それがいわゆる「スマホ依存」です。小さくてどこにでも持ち運べるスマホは、手元に置いておくとついつい時間を忘れて使用を続けてしまいがち。勉強や仕事の効率を妨げてしまいますので、子どもも大人もスマホとの付き合い方には気を付けなくてはなりません。
特に近年懸念されているのは、子どものスマホ依存です。「生まれた頃からすでにスマホが普及している」という若い世代は、幼少期からスマホやタブレットでゲームをしたりYouTubeを見たりするのが当たり前の習慣になっています。
長時間スマホでゲームをする、暗い部屋で寝ながらスマホを見続けるなど……「裸眼視力1.0未満」の子どもが増加しているという事実と近年のスマホ依存は、やはり切っても切り離せない問題だといえるでしょう。
【対策方法】
・家庭でスマホやタブレットの使用時間を決める
・就寝前にスマホやタブレットを使わせない
視力低下による3つの弊害
「自分は目がいいから眼鏡なんて必要ない」という自信を持っている人は少なくありません。そのせいで、だんだんと視力が下がってきているにもかかわらず、無理に裸眼を貫こうとする方もしばしばいらっしゃいます。
また、学校の視力検査は年に一度しかないため、子どもの視力低下になかなか気づけないということもありえます。
どちらにせよ、視力の低下はさまざまな面で弊害がありますので、できるだけ早めに眼鏡やコンタクトレンズをつくるなどの視力矯正を行うことが大切です。
視力低下の弊害 ①集中力が低下する
適切な視力を維持できないと「文字が読みにくい」「目に力が入って疲れやすい」といったストレスが蓄積され、集中力が長続きしません。勉強や仕事の効率が下がってしまいますし、車の運転では事故の危険性が著しく高まりますので、くれぐれも注意しましょう。
視力低下の弊害 ②肩こりや頭痛の原因になる
長時間のパソコン作業は、眼精疲労を引き起こします。眼精疲労は目の筋肉を硬直させ、自立神経の働きを乱します。すると、肩こりや頭痛などの慢性的な症状が現れてくるといわれています。
視力低下の弊害 ③さらなる視力低下を招く
視力が下がると目に力を入れてものを見ようとし、それによって筋肉が硬直してピントがぼやける……視力低下を放置していると、このような悪循環に陥ってしまいます。子どもの目の健康を守るためにも、スマホの触りすぎやゲームのしすぎに気を付けて、定期的に眼科検診をするように心がけてくださいね。
子供のころからの生活習慣を改めること
老若男女を問わず、世界中で報告されている「近視人口の増大」。原因はさまざまですが、少なくともスマホの普及が関係している可能性は大いに考えられるでしょう。
特に気を付けなければならないのは、幼少の頃からスマホに触れている子どもたちの視力低下です。視力低下を放置しているとさらなる視力低下を引き起こしかねないため、家庭でスマホの使用に関するルールを設けつつ、定期的に眼科検診を受けるようにすることをおすすめします。
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