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発達障害のパニックの対応や防止方法を解説

発達障害のパニックの対応や防止方法を解説

発達障害を持つ子どもの中には、不安や不快になったりしたときに気持ちをコントロールすることができず、大声で泣き叫んだり、暴れたりしてしまうことがあります。

この状態を「パニック」と呼び、子どもがパニックを起こすのには必ず原因があると考えられています。

この記事では、子どもがパニックになってしまう原因から対処法、予防策をご紹介しています。お子様のパニック症状でお悩み中の方や、これはパニック症状なの?と気になっている親御さんは、ぜひこの記事をご覧下さい。

改善策や予防策がきっと見つかります!

発達障害の特性を持つ子どもが起こすパニックとは?

発達障害の特性を持つ子どもが起こすパニックとは?

パニック」とは、何らかの理由により感情や行動の抑制が難しくなることで、癇癪や大声で泣く、自傷行為、破壊行動などを起こしてしまうことを指します。

一方で、表面的な行動には現れないものの、思考や感情が停止してしまう様な、見た目では気付きづらいパターンもあります。

パニック時に見られる行動の例
  • 大声で泣く、叫ぶ
  • 同じ言葉を繰り返す
  • 暴言を吐く
  • 自分の頭を叩く、腕を噛む、壁にぶつかろうとする
  • 物を投げる、蹴るなどして壊そうとする
  • フリーズしてしまう(動かない、言葉を発さない)

発達障害の子どもがパニックを起こす原因

パニックを起こしてしまう代表的な原因としては、「自分の気持ちをうまく表現、処理できない」という点です。

発達障害を持つ子どものパニックは、わがままとは違います。必ずその子なりの理由があり、強い不安や恐怖、葛藤、混乱を感じた際にどう表現したら良いのかが分からないためパニックを起こしてしまうのです。

お子様も気持ちを表すことができず、追い込まれている状況です。まずは、「どうして落ち着かないの?」と親御さんの焦る気持ちをできるだけ抑え、お子様の気持ちに寄り添ってあげることを意識しましょう。

パニックの原因の例としては、

  • こだわりが強い
  • 思い通りにいかない
  • 変化を楽しめない
  • 気持ちを柔軟に切り替えることができない
  • 感覚過敏によるもの
  • 感覚特性により、不快や苦痛を上手く回避・処理できない
  • 冗談が通じず、信じてしまった
  • 昔体験した嫌なことを鮮明に思い出している

などが考えられます。

子ども一人ひとりにつき、原因は異なります。特に、感覚過敏や感覚特性には個人差があります。お子様の個性やパニックの引き金を分析し、正しく理解し配慮してあげることで、予防策を考えていきましょう。

発達障害の子どもがパニックを起こしたときの対処方法

もし、パニックが始まってしまったらどの様に対処すべきなのでしょうか。最適な対処法と対処のポイントをご紹介していきたいと思います。

対処法①:子どもが落ち着ける場所を用意しておく

対処法①:子どもが落ち着ける場所を用意しておく

子どもが落ち着ける場所を事前に決めておき、パニックが始まったら、そこに連れていき見守ってあげるのもいいでしょう。

周囲にいる人の安全にも配慮し、怪我に繋がる様な物が周辺にある場合には整理したり、遠ざけておきましょう。

対処法②:自傷行為したら怪我をしない程度に配慮し終わるまで見守る

対処法②:自傷行為したら怪我をしない程度に配慮し終わるまで見守る

自傷行為をしたら危ないからと力ずくで抑えるより、クールダウンするまで見守り、怪我に繋がりそうな場合には、クッションやタオルを使用しお子様をガードしてあげましょう。

一定時間が経過すれば落ち着くでしょう。本人が落ち着いてから、落ち着けたことを褒め、パニックの原因が分からなかった場合には、何が原因となったのか尋ねてみましょう。

パニックが起きてしまった際には「無理に止めない」

パニックに陥ってしまっている際にお子様を大声で叱ったり、いきなり抱きしめたりして無理に止めることは控えましょう。

無理に止めてしまうと感情を発散することができず、かえって悪化させてしまう場合もあります。

ただし、怪我に繋がる様な危険な行為をしていた場合は、クッションやタオルを使用したり、危険物は遠ざけるなどのサポートをしてあげましょう。

子どものパニックを防ぐ方法

子どものパニックを防ぐ方法

最後に、子どものパニックを防ぐ方法をご紹介したいと思います。

①引き金となる原因を探し、配慮する

前述の内容でも紹介しましたが、パニックには引き金となりうる原因があるはずなので、まずはそれを探し、配慮していく様にしましょう。

例えば、感覚過敏のお子様はそれぞれに、音・匂い・光・味・感触などの情報を鮮明に受け取ってしまう特徴があります。大きな音が苦手な傾向にあるお子様には、イヤーマフを使用することで音を抑えることができます。

パニックを防いでいく最初の段階としては、パニックの原因を配慮していける様な対策をしてみて下さい。

②自分の気持ちを表す練習をする

②自分の気持ちを表す練習をする

発達障害の特性をお持ちのお子様は、自分の感情を上手に表現できないことでパニックを起こしてしまいます。

パニックを防いでいく次のステップとして、感情を何らかの形で表す練習をしておくと良いでしょう。

例えば、「今の自分の気持ちがどこにあるのか」を上記のイラストの様な表を用いて伝える練習をしましょう。簡易的にでも感情を表現できる様になると、感情が爆発してしまう前に周囲に自分の気持ちを伝えやすくなります。

③事前にスケジュールを伝える

子どもは人生経験が少ないため、先のことを考えたり、臨機応変な態度を取ることが難しいため、混乱してしまう場合があります。

そのため、その日のスケジュールや行き先を事前に伝えてあげることで、自分の思い通りにならないことを減らしたり、変化に対応する心の準備をしておくことができます。

口頭で伝えるよりも図やイラストを用いたメモを持たせてあげると、いつでも確認できるのでより安心してその日を過ごすことができる様になるでしょう。

④勝敗のあるゲームで気持ちの切り替えを身につける

勝敗のあるゲームを取り入れることで、お子様の思い通りにならない場面をあえて設定します。

思い通りに行かないことで、感情がコントロールできなくなってしまった場合には、廊下にでて感情が静まるまでクールダウンしたりして、場面に合った気持ちの切り替え方を少しずつ身につけていきましょう。

この方法は、パニックの原因が分かってきている段階、自分の感情を表現できる段階になってから取り組むことをおすすめします。

まとめ

今回は、発達障害の特性を持つお子様がパニックになってしまう原因から対処法をご紹介しました。

「パニック」は子どもにとっても本当に苦しい状態です。

まずは、何がきっかけとなったのか探り、お子様のペースに合わせて少しずつ予防策を試してみて下さい。

千里堂網走本店では、発達障害やその傾向があるお子様の、苦手やできないことの改善に効果が期待できる「ビジョントレーニング」を実施しています。

まとめ

できない原因はお子様本人はもちろん、周りからもわかりづらいものですが、実は「視覚機能」と関係が深いとされています。

「見る力」を高めるビジョントレーニングは、学習能力や注意力・コミュニケーション力の向上が期待でき、お子様の苦手を改善し、やる気や自信を引き出すことにつながるトレーニングです。

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