わたしたちは、どうしてものを「見る」ことができるのでしょうか。自分の意思で近くや遠くのものにすぐにピントをすぐ合わせることができますし、どんなに激しく動いてもほとんどブレませんよね。
もちろんそれは「眼の機能」のおかげです。特別な訓練をしなくても、わたしたちは生まれた瞬間から、この高性能カメラの使い方を知っています。
本記事では、そんな眼の構造やはたらきを通じて、眼の不思議について迫っていきます。この記事を読めば、みなさんの世界を“見る目”が変わるかも!?
眼の基本的な構造と仕組み 各部位の名称一覧
(画像引用:https://www.civillink.net/fsozai/eye.html)
眼は、非常に複雑でユニークな構造をしています。上記の図を参照しながら、まずは各部位のはたらきについてみてみましょう。
角膜 | 外界の光が一番最初に入ってくるのが角膜です。透明な膜で、「光の入り口」としての機能を果たします。 |
水晶体 | 水とタンパク質で構成される、無色透明な眼の“レンズ”です。この水晶体を通して、外の世界が網膜に映し出されます。 |
虹彩(こうさい) | 環境の明暗に合わせて光の入る量を自動で調節します。自動なのがスゴイところですね。 |
毛様体(もうようたい) | こちらは自動でピントを調節する部位です。近くのものを見るときは収縮(緊張)して水晶体を膨らませ、遠くの場合は弛緩して水晶体を薄くします。 |
外眼筋(がいがんきん) | 6つの外眼筋を瞬時に動かし、眼球の向きを切り替えます。 |
脈絡網 | 網膜に栄養を送る膜で、角膜以外からうっすらと入り込む余分な光などをシャットアウトする機能もあります。 |
硝子体 | ゲル状の液体で、光を透過させて網膜に届けます。 |
網膜 | 像を映し出すスクリーン。網膜が映像を瞬時に電気信号に変換して脳に送信したとき、初めてわたしたちはそれを「映像」と認識します。 |
視神経 | 網膜が電気信号に変換した映像情報を脳に伝えるケーブルの役割を果たします。 |
●スーパー映像編集者【脳】がやっていること! 眼と脳の関係
普通、カメラで撮影した映像素材は、編集作業を経て“見やすい映像”に加工されます。
では、眼が捉える映像はどうでしょうか。眼がカメラマンだとするなら、そのとれたての映像素材を編集・加工する優秀な編集マンが「脳」です。
そう、実はわたしたちの脳は、ただ単に網膜から送られる映像情報をそのまま受け取っているだけではないのです。
電気信号として送信された膨大な情報を再び映像に変換する過程で、“不必要な”部分を切り取ったり、“必要な”部分をより見やすくなるように加工・補正したりする編集作業をしています。
わかりやすい例として、スポーツが挙げられます。卓球の試合中、わたしたちの脳は、素早く動くピンポン球に集中できるよう、映像を最適化します。
たとえば、卓球に集中しているならば、網膜が目の前を飛ぶハエを捉えていたとしても、脳はハエの映像を切り取って映さないようにするはずです。
一方で高速回転するピンポン球は、メーカーのロゴが見えるほどに鮮明な映像へと加工処理します。脳はそのピンポン球の映像を、「試合に勝つための重要な情報」と判断しているわけですね。
またそれに加え、脳はブレ補正も行ってくれます。コート内を縦横無尽に走り回っているのに、プロのテニス選手があんなにも的確にボールを捉えることができるのは、映像のブレを補正してボールに集中できるようにしてくれているからなのです。
●世界は1つじゃない?!! 様々な生物と眼の不思議
「私たちの眼には地味にしか見えない花が、実際には、昆虫の眼には斑点や縞模様によってふんだんに飾り立てられているように見えるかもしれないが、その装飾は紫外線域の視覚をもたない私たちには見ることができないのだ。多くの花には、紫外線域の色素で描かれた「滑走路標識」が備わっていて、ミツバチが無事に着陸できるように誘導しているが、それは人間の眼には見えない。」
(『進化の存在証明』リチャード・ドーキンス/訳:垂水 雄二)
わたしたちには、どうして「眼」が必要なのでしょうか。微生物には光を“感じ取る”ための感覚器官がそなわっていますが、眼はありません。
今日の考古学や生物学の見解では、5億4300年前のカンブリア紀に眼が“誕生”したといわれています。
観察すればするほど複雑な、生物の眼。
しかも種や個体によって見え方が異なるため、わたしたち人間の認識している世界は、犬・猫・魚・ミツバチの見ている世界とはまったく異なっています。
例えば視力だけで考えると、犬は人間よりも目が悪いといえますが、だからといって「人間の見ている世界がもっとも鮮明で美しい」というわけではありません。
昔ながらの哲学的な議論でいうと、そもそもわたしたちの認識している世界が“本当の姿”であるという根拠はどこにもないのです。
人間の眼には、紫外線を映像として変換する機能がありませんが、ミツバチは赤色を認識できない代わりに、紫外線の波長を捉えることができます。
しかしこれをもって、人間がミツバチよりも優れているとか、ミツバチが人間に劣っていると決めることはできませんよね。
では、どうして生物によって眼の性能や機能が異なるのでしょうか。
近年では、GoProなどのように、多様なシチュエーションや用途に合わせて、さまざまなタイプのカメラが売られています。
それと同じように、生物によって眼の見え方が異なるのは、暮らしている環境下で生存できるように最適化されているからなのです。
つまり生存競争の結果として、眼が形成されているわけですね。
同じ地上にいるのに、互いに見えている世界が違う……実に不思議です。
しかしわたしたちは、眼という自然のカメラを通して、生物には多様な生き方や在り方があるということを知ることができます。
まとめ 1人1人の生活にあった目の使い方をご提案
知れば知るほど、不思議に思わずにはいられない「眼」。高価なカメラよりも高性能で、しかも「脳」という優秀な編集者がバッチリ映像を加工してくれるというオマケつき。
眼の構造や仕組みを理解すると、なんだか「眼を大切にしよう」という気持ちになってきませんか?
視力が低下したまま放置しておくと、眼に大きな負担をかけてしまいます。それに、せっかくのフルハイビジョン映像を堪能できないのは、非常にもったいないですよね。
私たち千里堂スタッフも目の専門家として、ビジョントレーニングで子供から大人のプロまでの、スポーツ選手のパフォーマンス向上をサポートしていたり、
一般の方々の日常生活で、【近くの見え方にこだわって】目を大切にするメガネをご提案しています。
1人1人のお客様の生活やスタイルについて親身にお話を伺い、みなさんのご要望にぴったりの生活をご提供できるようにいたします!