スポーツをしていると「もっと上手くなりたい」「上手くなるにはどうしたらいいのだろ」「ライバルに勝ちたい」と誰もが思いますよね。
普段の練習以外にも、パフォーマンスを向上させ、試合にも生かせる方法があれば知りたくはないですか?
そんな時に取り入れたいのが「動体視力」のトレーニング。
動体視力はあらゆるスポーツの要であり、しかもそれは努力で鍛えることができるのです。
今回は、「動体視力」を自宅で気軽に鍛えることのできる「ビジョントレーニング」をご紹介します。
練習終わりや、練習が休みの日にぜひ、自宅で取り入れてみてくださいね。
継続して続けることで、「ライバルに勝てる日が来る」「最近調子いいな!」なんて褒められる日も来るはずです。
動体視力は鍛えられる!
私たちが視力検査のときに測定する視力を「静止視力」といいます。止まったものを見る視力のことです。
静止視力は、焦点(フォーカス)のことで、眼球内部を中心とする焦点システムに左右されるので、視力が悪くなるとメガネやコンタクトレンズを使うなどして、いわゆる”矯正”する必要があります。
これに対して、動いたものを見る視力、すなわち「動体視力」は、眼球の動きに左右されます。
眼球の動きをつかさどり、左右の眼球それぞれに6本ずつある眼筋を鍛えることで、動体視力の向上を図ることが可能となるのです。
動体視力が関係するスポーツがある
一言にスポーツといっても、動体視力によって能力を大きく左右される競技とそうでないものがあります。
たとえば、マラソンや水泳といった競技は目を使った判断によってプレーを左右されることはあまりありません。
反対に、野球やサッカー、テニスといった球技や、F-1、バイクレースといったスピードを競うモータースポーツ、ボクシング等の格闘技には、動体視力がプレーの内容に大きく関わってきます。
さらに、スポーツに大事なのは「動体視力」だけではありません。様々な「視力」が関わり合っているのです。
どんな視力があるのか以下に紹介します。
1. 「周辺視力」~広い視野と判断力
「周辺視力」は広範囲のものを視界に入れることができるので、周囲と自分の位置関係を把握するのに役立ち、スポーツ選手にとっては重要な要素の一つになっています。
「周辺視力」を遮断してしまうと、平衡感覚が失われたり、精神的に不安を感じてしまう、という実験結果もあります。
周囲が見えていないと、試合中自分のポジションが判断できなかったり、方向感覚が上手く働かないといったことが起こるということですね。
人は、自分で意識して見ているもの以外にも、自然と「周辺視力」を使って広い範囲を認識しています。普段は気付かないけど、「周辺視力」はとても重要な役割を持っているのですね。
2. 「深視力」と「瞬間視」~スポーツならではの高度な視力
「深視力」とは聞き慣れない言葉ですが、これは遠近感や立体感を見る視力のことです。
たとえば、サッカーは22人のプレーヤーが複雑なフォーメーションでたえまなく動くスポーツです。
一瞬にしてプレーヤーの前後関係を判断できなくては、適切なパスを出せません。また、センタリングされたボールのシュート、ヘディングなどのタイミングは、微妙な距離感があってこそです。
深視力がサッカー選手にとって非常に大事な能力であることがわかります。
また、深視力と同じようにスポーツのシーンで活躍する視力の一つに「瞬間視」があります。
これは、様々な動きをもつ対象物を一気に捉え、把握し、それに対応する能力のことです。
たとえば、バレーボールのスパイクを打つときなど、一瞬の内にどこに打つかを決めなければなりません。
サッカーのパスも「瞬間視」を必要とするいい例です。様々な動きをするディフェンダー、そして味方チームのプレイヤーの動きを一瞬で捉え、判断し、最適なコース、最適なスピードでパスを出す。
まさに「瞬間視」が発揮されているといえます。
自宅で動体視力を鍛えられる「ビジョントレーニング」の紹介
一部のスポーツには「動体視力」は欠かせないことはわかりました。
では、スポーツを上達するために「視力を鍛える」トレーニングは具体的にどのようなことをすれば上達するのでしょうか。
そこでオススメするトレーニングが、「ビジョントレーニング」。
ビジョントレーニングとは、「見る力」を鍛えるトレーニングです。
目の見るチカラ「視覚機能」を高めるため、40年以上前からアメリカ合衆国で提唱、開発されました。
”オプトメトリスト”と呼ばれる眼科医と横並びの国家資格制度に基づき北米や欧州を中心に広く導入されています。
眼球を動かす筋肉、眼筋を鍛えることで両目を使って目標物を正確に捉えたり、目からの情報を脳で処理して体を動かす運動機能を向上させる効果があります。
現在では、アスリート、スポーツ選手のパフォーマンス向上、発達期の子供の視覚機能の向上、発達障害の子どもの学力・運動能力の向上、などに有効であるとし、日本でも導入が広がりつつあります。
自宅でできる動体視力を鍛える具体的な方法
初めてビジョントレーニングを聞いた方は、「難しいことするのでは」と思う方もいるかと思いますが、
ここでは、自宅で気軽に取り入れられるビジョントレーニングの方法を紹介します!
もっと上達したい、練習が終わっても家で何か練習してライバルと差をつけたい、どうしても試合に勝ちたい!
そんな方は、下記のトレーニングをご自宅で取り入れてみてくださいね。
動体視力を鍛える編ー親指フォーカス(眼球運動)
方法
- 親指を立て両手を前に出し、腕は肩幅に開く
- 顔を動かさず1秒で自分の親指を左右往復できるよう目のみ動かす(10往復)
ここで首は動かさないよう注意してください。
※親指は参考写真のように左右・上下・斜め・前後に位置を変え繰り返し行っていきます。
周辺視力を鍛える編ーナンバータッチ
準備するもの
タイムウォッチ、紙、ペン
方法
- 1-20までの数字を書いた紙を壁にランダムに貼る
- 1から20まで順番に両手で1から20まで数字をタッチしそのタイムを測る
- 壁を背にしてスタートする
瞬間視を鍛える編ーBookトレーニング
準備するもの
雑誌1冊(自宅にあるものなんでもいいです)
方法
- 適当に雑誌を一瞬開いて閉じる。そこにかかれている情報を全て覚える
- なにが描かれていたのか、鮮明に声にして思い出す
以上、簡単に自宅でできるビジョントレーニングでした。
動体視力トレーニングは高齢者の方にもおすすめ
高齢者の方の場合は、年齢を重ねるうちに動体視力の機能が低下していくと言われています。動体視力が衰えていくということは周囲の環境をしっかりと見極められず、ちょっとした床の段差に躓いたり、自分の足にもつれたりして、転びやすくなってしまうということ。
転んでしまう危険性を少しでも回避するためにも、動体視力の向上や維持することは高齢者の方にとっても欠かせない大事な要素なのです。
スポーツをする人とっては運動能力の向上を目指すため、高齢者の方にとっては日常生活での転倒を防止するためにも、動体視力トレーニングをすることは非常に有効な方法と言えます。
さいごに:スポーツをする人も高齢者の方もトレーニングをして動体視力を鍛えよう
動くものを見る視力である動体視力は、スポーツをする人はもちろんのこと、高齢者の方にも鍛えてほしい視力のひとつです。動体視力を鍛えることで、スポーツの場合はボールや相手の位置を正確に見極められるようになったり、高齢者の場合は転倒をする危険性を回避することができます。
自宅や外出先でも簡単にできるトレーニングはありますが、より動体視力を向上させたいとお考えなのであればビジョントレーニングを行ってみるのがおすすめです。
千里堂本店では、スポーツ向けビジョントレーニングに取り組んでいるほか、子ども向けのビジョントレーニングも実施しています。
当店が行っているビジョントレーニングでは、まず「見る力」を検査し、その人の目の状態から専門的な知識でトレーニング方法を指導させていただいております。スポーツ向けのビジョントレーニングはもちろん、中高齢者向けのビジョントレーニングも実施中です。
なお、千里堂のビジョントレーニングは予約制となっております。動体視力向上のためにビジョントレーニングをやってみようと思った方は、千里堂メガネ網走本店までお気軽にお問い合わせください。