ディスレクシア(読字障害)とは、「字を読むことに困難がある障害」。
文字の読み方・形を認識することが難しいことが特性にあげられます。文字が読めないことは書けないことにも繋がります。
そのため、家庭や学校の勉強が困難となり、勉強することに抵抗を持つ子もいるでしょう。
そんな時、保護者としてどう支援したらいいのか悩みますよね。
今回は、ディスレクシアの子供を持つ保護者の方に向けて家庭でできる工夫や学校との連携の仕方、受験に備えて知っておく知識を紹介します。
家庭できるディスレクシアの勉強方法
家庭で子どもと勉強するときの工夫の仕方や心得を以下にまとめたので参考にしてみましょう。
- 読みの負担を減らす
- 本人が嫌がれなければ読み聞かせをし言葉の意味を教える
- 音読の宿題の場合、はじめに親御さんが読み聞かせしておく。必要なら漢字に振り仮名ふり、文章にスラッシュを加え読みやすい工夫をしましょう。
- 読み飛ばす場合は、定規や厚紙を使用し1行ごとにみやすくする工夫する
- 宿題は親が手伝ってもいいです。
- 漫画やDVD、動画で情報を蓄えておく。
- ディスレクシアの子は初めてみる文章を読むことが困難なことが多いです。休日などに次の授業に備え読み聞かせなどで予習しておくこともいいでしょう。
- 教科書だけでなく子供が興味ある本を読ませることもいいでしょう。
普段学校で勉強を頑張っている子は、家庭ではリラックスすることも大事です。
焦る親御さんの気持ちもわかりますが、ゆっくり過ごすことも心がけてみてください。
学校でのディスレクシアの勉強方法
授業中いきなり先生にあてられ読めなかったり、間違えたりし、クラスメイトの前で恥ずかしい思いをし落ち込むこともあるでしょう。
事前に当てられる箇所を保護者に知らせてもらい、家庭で練習しておくのも一つの手かもしれません。
また、板書する時間を長く設けてもらう、仲の良い友達がいればノートをコピーさせてもらうなど周りの人と連携するのもいいでしょう。
ただ許可してもらうには、ディスレクシアということをカミングアウトする状況に立たされることもあります。
どう解決していくかは、本人・学校側・スクールカウンセラーと相談するのもありです。
ディスレクシア(読字障害)の子どもとの接し方のコツ
ディスレクシアなど、発達障害の特性は努力や根性でどうにかなるものではなく、傷ついた記憶を忘れにくいという特性を持ち合わせている場合があります。
以下では、ディスレクシアのお子様との接し方に悩んでいる方に向け、接し方のコツを3つご紹介していきたいと思います。
コツ①:追い詰めず解決策を一緒に考える
ディスレクシアなどの発達障害は、努力や根性で治るものではなく、お子様がやる気がないからできないということでもありません。
他人と比較することで焦り「何で出来ないの」「もっと勉強しなさい」と、お子様のことを叱ってしまった経験があるという大人の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時、うまく出来ないお子様本人も悩んでいるはずです。叱ったり追い詰めるのではなく、お子様の気持ちに寄り添い、どの様にすれば学びやすいのかなど改善策を一緒に考えていく視点を持ちましょう。
コツ②:成功する機会を作る
失敗を克服して成功をしたことがある人の中には、子どもにも「失敗にくじけない体験」をさせてあげたいと思うかもしれません。
しかし、発達障害の特性を持つ子どもの中には、ひどく叱られたことや失敗の経験など辛い記憶を忘れにくいという特性を持ち合わせていることがあります。
その記憶が何らかのきっかけで突然フラッシュバックし、パニック状態に陥ってしまうお子様もいらっしゃいます。
お子様には、小さなことからでも「成功体験」を積み重ねることで何にでも挑戦していける様な自信をつけるサポートをしてあげましょう。
例えば「今月中に本を一冊読みましょう」ではなく「寝る前に本を1ページ読みましょう」といった様に、簡単な課題からなら抵抗感無く取り組んでいくことができるでしょう。
ポイントは、課題を途中で投げ出さずにやりきれる課題に設定することです。そうすることで、積み重ねてきたことへの達成感や成功体験がお子様の自信となります。
コツ③:理解しやすい方法で伝える
発達障害を抱えるお子様には、理解しやすい方法で伝えることも接し方のコツと言えるでしょう。
ディスレクシアの特性を持つお子様は、できるだけ文字でなく音声で伝えてあげるといいでしょう。文字で伝えなければならない場合には、大きな文字で書いてあげたり、蛍光ペンで要点を分かりやすくマークしてあげるとより理解しやすくなります。
この様にして、お子様が理解しやすい方法で伝えるという視点もぜひ取り入れてみて下さい。
勉強以外にストレス発散となる趣味活動の支援も欠かさない
学校での学習におけるストレスは想像以上に大きいです。日頃からストレス発散することも大切となります。
ディスレクシアの子供は読み書きをあまり必要としない工作やサッカーなどが好きな子が多いです。
バトミントンの部活に参加し生き生きと過ごせるようになった子供もいるように、子供の能力を発揮する機会を作りましょう。
中には、J リーグのサッカー選手や芸術家、伝統工芸の作家にもディスレクシアと疑われる人たちもいるようです。
文字を読めないから将来が途絶えるわけではありません。
好きなことが将来の夢や生きる力になるよう支援していきましょう。
将来の進学や就労への支援方法
年齢が上がるにつれて受験の問題にもさしかかります。
事情を説明して受験するか学校の方針をよく見極めましょう。
最近では、大学入試センターで配慮申請ができるようになりました。別室受験・試験問題の拡大コピー・試験時間の延長など配慮依頼できるようになりました。
早めに取り寄せて検討してみるのもいいでしょう。
まとめ
今回は、読み書きに悩むディスレクシアの子供を持つ保護者に向けて、勉強の進め方を紹介しました。
小学校、高校、受験など年齢ごとに勉強の悩みも変わります。
普段から一緒に相談先を持っておくことも悩みを解決する方法です。
千里堂網走では、発達障害のお子様に向けて「ビジョントレーニング」で見る力を養う支援をしています。
発達障害の子供、あるいは発達障害の傾向がみられる子供の、苦手なこと、できないことの改善にもつながるとされているのがビジョントレーニングです。
「見る力」を高めるビジョントレーニングは、学習能力や注意力・コミュニケーション力の向上が期待でき、お子様の苦手を改善し、やる気や自信を引き出すことにつながるトレーニングです。
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