発達障害には、さまざまな症状がありますが、ここでは、ADHD(注意欠陥多動性障害)はどのような特徴があるのか、関わる際のポイントを具体例を交えわかりやすく紹介していきます。
ご家庭や、学校、親族に子どもについて共有したいときのご参考として読み進めてみて下さい。
ADHD特性を持つ子どもの特徴
ADHD特性は、主に3種類あります。
- 多動性…状況とは無関係に常に動き回ったり、極端なくらい活動的だったりする特性。しゃべりすぎることも多い。
- 不注意…注意力が弱く、一定時間集中し続けることができない。頻繁に忘れ物をしてしまう特性。
- 衝動性…自分の感情や欲求のコントロールが難しい特性。その子なりの理由があっても、周囲からは突然の行動に見える。
ADHDだからといって、3つすべてが表れるわけではありません。また、ADHDの特性は努力や根性で改善するものではありません。
自分1人で難しいことも「自分で何とかしよう!」と思いすぎてしまう子は、笑顔で泣くこともあります。
特に女児は男児に比べておしゃべりではありますが、内気で恥ずかしがり屋が多く、あまり目立たないことも。
周囲を困らせることも少ないため、支援が遅れる場合も多いため、このような特徴を踏まえて、予め理解しておくことも大切です。
説明した3種類の特徴についてそれぞれ詳しくみていきましょう。
多動性の特徴を持つ子ども
多動性ADHDの特性を持つ子ども、健康的な子どもも、遊具に熱中したと思ったら絵を書いたりと、次々に別のことを始めます。
一見同じように見えますが、同じ年 頃の子どもと比べると状況に応じた調整が不足してしまいます。
例えば、多動性ADHDの特性を持つ子どもは、「授業中は自分の席について座りましょう」と繰り返し言われても、改善できません。
動いていないと気分的に落ち着かないだけでなく、無意識に体が動いてしまうこともあるのです。
そんな特性を持つ子どもにとって、「動かないでください」は、「息をしないでください」と言われているも同然の苦しさを感じることがあります。
多動性の特徴を持つ子どもの具体的な行動
多動性ADHDの特性を持つ子は、じっと座っていられない、しゃべりだすと止まらない傾向があります。
「じっと座っていられない」の具体的例
- 座ってなきゃいけない時も立ち歩いてしまう。
- 気になることがあるとすぐかけよる
- 座っていてもそわそわしているように見える。
- 姿勢が悪い
「しゃべりだすと止まらない」の具体的例
- 相手を考えずに一方的に話してしまう
- 話の内容が興味の方向性でころころ変わる。
- 状況を考えずに思ったことをしゃべり続けてしまう
不注意の特徴を持つ子ども
幼い子どもは、みんな不注意になりがちです。
例えば、小さな子供が道路に飛び出したり、すぐにで迷子になったりするなど、気がかりなことがあれば上の空になってしまい、忘れっぽくなります。
そういった経験を経て、「次からは気を付けよう」と自分で注意できるように成長していきます。
しかし、不注意ADHDの特性を持つ子どもは、「次から気を付けよう」ができません。
「一定時間、ひとつのことに集中するのが難しく、集中力が長続きしない。」「外からの刺激ですぐに気がそれてしまう。」「忘れ物やなくしものが多い」などの症状がずっと残ります。
こういった行動は、努力不足ではないため、「どうして自分は注意できないんだろう」と思い悩んでしまう子どもも少なくありません。
不注意の特徴を持つ子どもの具体的な行動
不注意の特徴を持つ子どもは、必要なものをなくしてしまう、外からの刺激ですぐに気がそれる、細かなところまで注意を払わない、いつもボーっとしているという傾向があります。
「必要なものをなくしてしまう」の具体的例
- 普段使っているものをよくなくす
- 物を置いた場所を忘れてしまう。
「外からの刺激ですぐに気がそれる」の具体的例
- 周囲の刺激に簡単に反応するため、目の前のことに集中できない。
- 集中しているか、していないかの両極端で、ほどほどに集中することが難しい。
- 1つのことに集中すると途中で中断できない。
「細かなところまで注意を払わない」の具体的例
- 漢字やひらがなの”点”や”はね”を正しく書かない。
- テストでケアレスミスが多かったり、文字が抜けていたりしがち
「いつもボーっとしている」の具体的例
- 自分の好きなことを考えている時間が多く、興味がないとすぐ上の空になる。
- 興味関心がないため、相手を無視する時がある。
衝動性の特徴を持つ子ども
衝動性の特徴を持つ子どもは、喜怒哀楽が激しくなり、自分の発言や行動にブレーキがかけられないため、周囲からは急な行動や行為に見えてしまいます。
衝動性の特徴を持つ子どもの具体的な行動
衝動性の特徴を持つ子どもは、思いついたことをすぐにはなしてしまう、順番を待つのが難しい、思いついたことをすぐ行動してしまう、優先順位がつけられない傾向があります。
「思いついたことをすぐにはなしてしまう」の具体的例
- 自分に聞かれたわけじゃないのに答えてしまう
- 思い込みでしゃべり続けてしまう
「順番を待つのが難しい」の具体的例
- 列に並んでいる人を抜かしてしまう
「思いついたことをすぐ行動してしまう」の具体的例
- 注意喚起を見ずに柵の内側に入ったり、触ったりしてしまう
「優先順位がつけられない」の具体的例
- スケジュールの調整ができない。
ADHDの特性を持つ子どもへの関わり方
ADHDの特性を持つ子どもへの関わり方のポイントは、大きく6つあります。
関わり方として、すべて努力・根性で改善はしませんし、叱っても解決はしません。
親御さん・教師・ADHDの特性を持つ子自身も、関わる人がみんな追い込まないようにすることが一番大切です。
①必要なものは親御さんと一緒に確認する
ADHDの特性を持つ子どもの場合、自分で「忘れ物をしないように」と注意することは難しいです。
時間割や連絡帳のメモは親御さんと一緒に確認し、一緒に準備をするといいでしょう。
忘れ物をしないように繰り返し根気強く伝えるのが大切です。
②刺激が少ない環境を整える
ADHDの特性を持つ子どもは、見えるもの・聞こえるものすべてから刺激を受けているため、気が散りがちになります。
気が散らないように、装飾のない静かなスペースを確保するといいでしょう。
同じ姿勢で座り続けないよう子どもを飽きさせない工夫も必要です。
③身体を動かす正当な理由をつくる
ずっと座っている時間を少なくするように、なにかしら身体を動かす役割を持たせるといいでしょう。
出先では、1人で行動しないようにグループで移動する際は人数を数えるかかりを任せてもいいです。
④注意を促す声かけを行う
ADHDの特性を持つ子どもは、自制力や感情をコントロールする力が弱いため、「順番に並びましょう」など、その都度、呼びかけを行うといいでしょう。
⑤成功体験を増やす
何かができたり、好ましい行動ができた場合、すぐにみんなの前でほめましょう。
周囲に認められ、「できた!」という成功体験を増やすことでやる気につながります。
⑥ちょっとのミスは気にしない
叱り続けると、子どもが自信を無くしてしまう原因になってしまいます。ささいなことは、見ないふりをすることも必要です。
また、注意するときはなるべくほかの子どもの目がつかない場所で行いましょう。
周囲に子どものマイナスイメージがつくことを避けられ、本人の自己評価も下げずにすみます。
まとめ
今回は、ADHDの特性を持つ子どもの特徴や、苦手なこと、関わり方について紹介しました。
保護者としては、得意なことを伸ばすのはもちろん、苦手なことや特徴も理解していく必要があります。
千里堂網走はメガネ屋ですが、発達障害の子ども向けにビジョントレーニングも行っています。
ビジョントレーニングとは、発達障害の子供、あるいは発達障害の傾向がみられる子供の、苦手なこと、できないことの改善にもつながるとされています。
発達障害は、本人にとってだけでなく、周囲の大人からみても苦手な理由はわかりづらいものですが、実は、「視覚機能」と関係が深いともいわれています。
「見る力」を高めるビジョントレーニングは、学習能力や注意力・コミュニケーション力の向上が期待でき、お子様の苦手を改善し、やる気や自信を引き出すことにつながるトレーニングです。
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