発達障害の子どもの自立支援のために、子どもの特性や成長にあわせた「療育」でサポートしていくことも大切なことです。
「子供の発達障害の治療方法を紹介!療育に特化した支援とは」でさまざまな療育を紹介しましたが、今回はその中の一つ、「TEACCH(ティーチ)」についてご紹介します。
療育には様々な方法があり、内容や期間も異なります。子どもにあわせた適切なかかわり方や特徴を学んでいきましょう。
TEACCH(ティーチ)の特徴
TEACCH(ティーチ)は、自閉症スペクトラム症の特性を持つ子どもや家族のために行う、総合的・包括的なプログラムです。
発達障害の特性を持つ子どもの生きづらさを和らげるために、視覚的な面からアプローチを行っていきます。
自閉症スペクトラム症の特性を持つ子どもは、耳で聞いた情報は記憶に残りにくく、漠然とした空間や時間の把握が苦手な傾向にあります。
その一方、目で見た情報や、興味・関心があることについては優れた記憶力を発揮する子どもが少なくはありません。
TEACCH(ティーチ)では、時間や空間・手順などを「見てわかる」ようにすることで、理解しやすく安心して、自立した生活ができるように環境を整えていきます。
(「見てわかる」ようにすることを、「構造化」と称し基本理念の一つとしています。)
現在、多くの療育現場で実践されており、家庭でも行うことができます。
TEACCH(ティーチ)の支援方法
TEACCH(ティーチ)の具体的なサポート方法をご紹介します。
●集中して課題に取り組める
終わりがわかりにくく混乱しやすいという特性を持つ子に対しては、「ワークシステム」という方法があります。
何を、どのくらい、どうなったら終わるのかの情報を明確に伝えることで安心して作業に取り組む環境を作ります。
●部屋を明確に区切る
自閉症スペクトラム症の特性を持つ子どもは、ひとつの場所に複数の用途があると混乱しやすくなります。食事の場所、寝る場所など、意味づけをした上で明確に区切り、空間を「見てわかる」ようにします。
「何をする場所か」が理解しやすくなり、その場所で安心して過ごすことができます。
イラストや写真などを利用すればより効果的です。
●予定や時間をイラストや表にする
自閉症スペクトラム症の疑いのある子どもは、少しの変化に不安や緊張を感じやすく、いつも通り・予測通りの毎日を送りたい傾向にあります。
起床時間や学校の時間割など、イラストや表にし、時間を「見てわかる」ようにします。
「いつ、どのくらいしたら良いか」が理解しやすくなり、見通しが立てやすく安心して行動できるようになります。
●絵カードを使って、自分の気持ちを伝える
自閉症スペクトラム症の特性を持つ子どもは、自分の気持ちを伝えることが苦手な傾向にあります。
気持ちが伝えられずとまどう場合は、絵カードを用意しましょう。
例えば、トイレの絵カードを用意しておき、それを手にとったら、トイレに行きたいんだねと声をかけ、連れていきます。
周りの人間も何がしたいのか理解することができ、コミュニケーションがとりやすくなります。子ども自身も、コミュニケーションの楽しさや喜びを実感する機会が増えていきます。
まとめ
この記事では、子どもの発達障害の療育方法「TEACCH(ティーチ)」についてご紹介しました。
発達障害の特性を持つ子どもが「見てわかる」環境を作ることで、子ども本人や家族の生きづらさを和らげていきます。
子どもが自分らしく自立した生活が送れるように、できることから試してみてはいかがでしょうか。
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