しっかりとしたウォーミングアップを行わないと、怪我に繋がったり、本来得られず筈のトレーニング効果が得られなかったりと悪い影響を及ぼします。
そこで今回は、お子さん向けに自宅でできるウォーミングアップ方法を紹介し、より効果的な練習効果を得られるようお伝えしたいと思います。
記事の途中では他プレイヤーと差を付けやすいビジョントレーニングと視覚能力についてもお話しているので、ぜひ最後までご覧ください。
自宅でできるウォーミングアップ方法
運動前に行なうウォーミングアップでは、動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)を行う必要があります。一般的にストレッチと言われる静的ストレッチ(スタティックストレッチ)は、筋肉を弛緩させるためトレーニング前に行うのは逆効果となってしまう点に注意が必要です。
動的ストレッチは、関節や筋肉を温めるのはもちろん、神経を刺激することができますので、実際トレーニングに移った時に効率の良い動きを行うことができます。
逆に静的ストレッチは、体の柔軟性を上げる効果や疲労を回復させる効果があり、日常的に行うことで怪我がしにくい体になると言われています。
つまり、動的ストレッチと静的ストレッチを上手く行うことで、怪我をせずより良いパフォーマンスを発揮することができます。今回はウォーミングアップの紹介なので、動的ストレッチを中心に紹介していきたいと思います。
タオルを使った素振りで肩を温める
「ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)」と呼ばれる方法で、薄めのタオルを用意し、片方の先端を結び玉を作ります。次に、玉の無い方を持ってスパイクのフォームで振ります。
振る時に注意するポイントは、大きな円を描くように振ることです。慣れないうちは鏡を使って確認しながら振るようにしましょう。
この素振りを左右で行うと、肩周りや肩甲骨の周りの筋肉が温まり怪我の防止に繋がります。ぜひトレーニングを行う前に取り入れてみてください。
3m四方でボールのキャッチ&リリース
やや広めの部屋で二人一組になって行う方法で、テニスボールなど小さいボールを使います。3m四方でボールを投げ、キャッチして投げ返すトレーニングです。
この時お子さんは前傾姿勢になり、上下左右に飛んでくるボールをキャッチすることを意識。親御さんは3mの中いっぱいに動けるようボールを投げてあげてください。最初はボール1つで、慣れてきたら2つに増やします。
足を動かすトレーニングとなるので、近隣の方への配慮にご注意ください。
目印タッチ
これはアップにもなるトレーニングです。二人一組になり、壁の4箇所に印をつけて親御さんの「①〜④」の掛け声でお子さんがその印にタッチするというもの。この時、②、③は2m(小学生のバレーネット)の高さに、①、④はやや低い位置に印をつけましょう。
まずは10回を3セット行い、慣れてきたら回数を増やすようにしましょう。
このトレーニングを行うと、バレーネットの高さを意識できるようになり、ブロックやスパイク、トスの際により良いポジションにつくことができます。また、1階など下の階の迷惑にならない場合は②、③はジャンプしてブロックの形を取ることで、より実戦的なトレーニングにすることも可能です。
ウォーミングアップと併用でできるビジョントレーニング
見る力である「視覚能力」、通常の練習メニューでは中々鍛えることができませんが、「ビジョントレーニング」という練習であれば効率的に鍛えることができます。
ここでは、バレーのウォーミングアップと同時に行えるビジョントレーニングを紹介しますので、ぜひ取り入れてみてください。
バレーになぜビジョントレーニングが必要なのか
バレーボールの最大の特徴は、ボールを保持(ホールド)できない点にあります。攻守の入れ替わりも早く、敵チームの位置や味方チームの位置を確認する時間は一瞬しかありません。
ゲームの中で他の人の動きを見ながらトスやレシーブ、スマッシュといった連携が必要になってくる非常に難易度の高いスポーツがバレーなのです。だからこそ、一瞬で多くの情報を見る目や、動くものを視界の端で捉えるなど「見る力」が重要になります。
その「見る力」を鍛えるトレーニングこそが、ビジョントレーニングです。
ビジョントレーニングについて詳しくは以下の記事で解説しておりますので、そちらをご覧ください。
ウォーミングアップで鍛えられる視覚能力
バレーのウォーミングアップでも視覚能力を鍛える「ビジョントレーニング」を行うことができます。
「周辺視野」でボールを捉えるトレーニング
お子さんはレシーブの構えで壁側を向き、親御さんはお子さんの右か左の上からボールを落とします。そしてボールをキャッチして、ボールを返し、構えに戻る。この動作を繰り返すトレーニングです。
このトレーニングでは「周辺視野」の視覚能力を鍛えることができます。周辺視野とは、目の端に映るものをキャッチする能力で、バレーボールにおいては味方と敵の情報を把握し、適切な位置にトスを上げる際などに重要となります。
片手レシーブで「動体視力」を鍛えるトレーニング
球突きの要領で、片手でボールを上げ続ける練習方法です。まずは小さい動きで感覚を掴み、慣れてきたらやや高めにボールを上げるようにします。この時、目の中心でボールを捉えることで動体視力を鍛えることができ、やや視線を外して行えば周辺視野を鍛えることができます。
一人分のスペースかつ、一人で行えるトレーニングのため、隙間時間などにオススメです。
体幹と「眼と手の協調性」を鍛えるトレーニング
二人一組で行うトレーニングです。腕立て伏せの姿勢をとり、両手両足の部分に4色のカラーコーンを置きます。姿勢を維持したまま親御さんが「赤」や「青」など色を伝え、その色に対応する手、または足でコーンにタッチするというトレーニングになります。
体幹を鍛えると同時に、瞬時に判断して体を動かす能力である「眼と手(脚)の協調性」の力を育てることができる練習です。しかし、最初は体幹を30秒だけでもかなり辛いので、まずは体幹トレーニングに慣れさせて、30秒を余裕でできるようになった段階で取り入れていきましょう。
まとめ
今回は自宅でできるウォーミングアップの練習と、ビジョントレーニングの重要性、スパイクで求められる視覚能力についてお話しました。
練習前にしっかりとウォーミングアップを行うことで怪我の防止と、より高いトレーニング効果を得ることができますので、ぜひ取り入れてみてください。
更に本格的にパフォーマンスを向上させたいのであれば、ビジョントレーニングを行うことができる施設や、視覚機能の専門家であるオプトメトリストを訪ねることをおすすめします。
千里堂網走本店では、専門家がスポーツビジョントレーニングに取り組んでいます。
プロアスリート向けの本格的な訓練から、子ども向けの楽しく取り組めるものまで幅広いので、興味があれば千里堂本店まで是非お問い合わせください。
ビジョントレーニングがどのような分野で取り入れられているかは以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。