こんにちは!千里堂網走本店の一級眼鏡作製技能士・増子です。お客様一人ひとりに合ったレンズをご提案する他、ビジョントレーニングでお子さんの“ものを見る力”を鍛えたり、弱視の方の専用メガネを作製したりしています。
実は僕自身が弱視であり、いまも片眼の視力がほとんどありません。
そこで今回は、自分の経験をふまえて、弱視治療で大切な考え方についてお伝えしたいと思います。お子さんが弱視だと診断された方や、これから弱視治療に望む方が、少しでも役立つように書きましたので、ぜひお付き合いください。
弱視の子どもは自分の見え方が普通だと思っている
僕が弱視だとわかったのは、4~5歳頃のことでした。
現在の千里堂の会長が、当時の僕の様子をみて、「弱視の可能性がある」と指摘してくれたのがきっかけで発覚しました。
両親は、僕が弱視であることに気づくことができませんでした。
なぜなら僕自身が、その見え方が普通だと感じていたため、自然に生活できていたからです。
僕はアイパッチが嫌で弱視を改善できなかった
弱視発覚後は、すぐにアイパッチ治療が始まりました。見えるほうの目をアイパッチで隠して、見えていない目の視力を出す方法です。
真面目に治療を続ければ、視力が戻るはず……でしたが、僕はこのアイパッチ治療がとにかく嫌でたまりませんでした。
見た目はカッコ悪いし、友達にからかわれるし、何より見える片眼が隠されるのが不愉快で仕方なかったのです。
子どもの僕からすると、弱視のほうが正常な見え方なので、アイパッチ治療という非日常を強制されるのが嫌だったのでしょうね。
「この治療を頑張らないと片目が見えないままなんだよ」という大人の理屈が、子どもには通用しないというのが、また難しいところです。
小学校にあがった後も治療は続きましたが、嫌で嫌でたまらなかったので、家を出たあとすぐにアイパッチを投げ捨てていました。
見え方が気に食わない、友達にもからかわれたくない、という思いのほうが強かったのです。
けっきょく僕は、治療をちゃんと続けることができず、弱視を改善することはできませんでした。
「弱視は大変ですよね」実はそこまで気になっていない
けっきょく弱視のまま僕は成人しましたが、正直、日常生活で不自由はしませんでした。
弱視のせいでスポーツができないと思われる方もいるかもしれませんが、学生時代はバスケの特待生で進学しました。スリーポイントは得意でしたよ。
見えない目も“見えている”。目の負担をやわらげるメガネをかけてほしい
僕は現在、かつて自分の弱視を発見してくれた千里堂網走本店で、弱視のお子さんのためのメガネをつくっています。
この仕事で見え方について深く学び、弱視の「不便さ」を理解できました。
弱視の人も、正常視の人も、別に変らない。だができることの範囲は広がる。才能ある人の可能性が広がり、成果をあげられる。
千里堂は、近くを見るときの目の負担をやわらげるメガネをつくっています。デスクワーカーの方に喜ばれていますが、このメガネは弱視の方にもおすすめしています。
なぜなら、見えない目もちゃんと機能しているからです。見えてないからといって、その目を使っていないわけではないのです。
しかし実際には見えていないため、見えているほうの目が2倍頑張っている。かなり目の負担になります。そして見えているほうの目の疲れをやわらげるのが、千里堂のメガネです。
1分1秒でも長く治療の継続を。親の協力が不可欠です
僕は弱視の子どもの気持ちが誰よりもわかるからこそ、弱視を改善するためには、ご両親の理解と協力が絶対に必要だと考えています。
治療を行うと、どうしても子どもは不快感を示します。アイパッチやメガネを外してしまうなんてことも、日常茶飯事です。
「もう、仕方ないなあ。明日はちゃんと着けるんだよ」とついつい甘やかしてしまうのは親心かもしれませんが、そこをグッとこらえて、アイパッチやメガネをつけ続けさせるようにしてほしいと思います。
さいごに:心配しすぎないことが一番!
僕の経験をふまえて話させてもらいましたが、けっきょく言いたいのは、「お子さんが弱視や遠視になっても心配しすぎず前向きに捉えてほしい」ということです。
弱視だからといって、他の子どもより何かが劣るわけでもありません。事実、僕はとくに不自由することなく、元気に学生時代を送ることができました。
ただ、弱視は改善できるに越したことはないので、しっかり治療を完了してほしいと思います。
僕はこれまでたくさんの弱視の子どもと関わり、治療用のメガネをつくってきましたが、「子どもが嫌がって、かけてくれないんですよね~」と軽くみてしまう親御さんも少なくありません。
弱視治療は、とにかく1分1秒でもアイパッチやメガネをかけ続けることが大事です。
弱視用のメガネをお求めなら、ぜひ一度、千里堂網走本店にお越しください。北海道外からの来店も大歓迎です!
【アクセス】
女満別空港から車で約26分
【基本情報】
〒093-0014 北海道網走市南4条3丁目3
TEL : 0152-44-2233
MAIL : abashiri@senrido.co.jp
OPEN : 9:00 / CLOSE : 19:00
定休日:元旦のみ
測定予約は最終受付:17:00