メガネづくりをするうえで「度数」や「視力」という言葉をよく耳にしますが、その違いや区別を意識することはあまりないかもしれません。実際、「詳しいことは眼科やメガネ屋さんにまかせればいい」と思っている方もいるのでは?
わたしたち千里堂としては、度数や視力のことは、ぜひご本人にも正しく理解してほしいと考えています。なぜなら、自分に合ったメガネ選びは、まず自分の目的や用途にふさわしい視力を知り、そのための度数を選択することから始まるからです。
たとえば「目が悪くなる=度数を強くする」という単純な理解だと、あなたの目の健康を損なう可能性があります。
目が悪くなったからといって、「視力1.0になるように度数を強くする」という考え方は、いたずらに目の負担を増やすだけです。
デスクワーク用メガネなのに、遠くがよく見える度数にしてしまうと、眼精疲労が著しくなり、肩こりや頭痛、集中力の散漫などの様々な弊害となって現れます。
メガネづくりは「お客様がどの距離を快適に見たいのか」と目的・用途をハッキリさせるところからはじまります。あなた自身が、自分に必要な視力と度数を理解できるようになれば、メガネ屋さんで間違ったメガネをつくらずに済みます。
千里堂は見る距離に合わせて度数をつくることで、目の負担をやわらげるカスタムレンズ「ラクミエ®」を提案しています。
この記事では、メガネの度数に関する基本的な解説はもちろんのこと、あなたが快適にメガネを使うために、真に必要な度数について、大切なことをお伝えします。
この記事を読めば、「自分に合うメガネとは何なのか」という原理原則を理解できるようになり、後悔しないメガネ選びをできるようになるはずです。
度数の定義
メガネの度数とは、目のピントを合わせるためにレンズがどれくらいの力を出すかを示す数値のことです。つまり、レンズの強さを表す指標ですね。
度数を正確に測るには、以下の方法が一般的です。
- 眼科で検査: 専門機器を使って、視力や目の状態を詳しく検査します。眼病検査もできるため、はじめてメガネをつくる方は一度は行ったほうがよいでしょう。
- メガネ店で視力測定: 千里堂のような専門店では、充実した体制で精密に視力を測定できます。ただし測定技術は店舗によって差があるため注意しましょう。
- 過去の処方箋を確認: 以前作ったメガネの処方箋があれば、それを参考にできます。
【度数を構成する要素】
- SPH(球面度数): 近視や遠視の度合いを示します。マイナス(-)が近視、プラス(+)が遠視です。数字が大きいほど、度数が強いことを意味します。
- CYL(円柱度数): 乱視の度合いを示します。乱視がある場合に必要となる数値です。
- AXIS(乱視軸): 乱視の方向を示します。0度から180度までの範囲で表されます。
- P.D(瞳孔間距離): 両目の瞳の中心間の距離を示します。メガネがずれて見えづらくなるのを防ぐために重要な数値です。
ちなみに弱い度数のメガネが目を悪くするというのは誤解です。適切な度数のメガネを使用することは、目の健康を維持し、視力の低下を防ぐために重要です。
度数と視力の違い
度数と視力は、よく混同されがちですが、全く異なるものです。
視力は、目の機能そのものを表す指標です。違う言い方をすれば、私たちが物体や形を空間の中で認識する能力を数値で表したものです。
一方で度数は、視力を矯正するために必要なレンズの強さをあらわします。
度数は、視力だけでなく、目の形状や状態によって決まります。正しい度数のメガネを選ぶことが、快適な視生活を送るために大切です。
メガネの度数を測る場所はどこがいいのか
メガネを作りたいけど、「眼科に行った方がいいのかな?」「メガネ店で視力測定するだけでも大丈夫かな?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、特別な事情がない限り、メガネ店の視力測定で十分なケースが多いです。
【眼科を受診した方が良いケース】
しかし近年では、「眼鏡作製技能士」という国家資格が正式に登場するようになったことから、プロとして「眼科で診てもらってからメガネ店に来たほうがいいですよ」と推奨するべきケースが明確になりました。
以下に、メガネの度数を測る際に、まずは眼科に行ったほうがいいケースについてご紹介します。
- 初めてメガネを作る方: 目の病気や異常がないか、一度検査してもらうことをおすすめします。
- お子様: 成長過程では視力が変化しやすいので、定期的な眼科での検査が望ましいです。特に、仮性近視の可能性がある場合は、眼科で適切な処置を受ける必要があります。
- 視力が急に低下した方: 眼の中に異常がある可能性があります。早めの受診をおすすめします。
- 斜視の方: プリズムレンズが必要な場合があり、眼科での処方箋が必要です。
- 加齢による視力低下を感じている方: 白内障や緑内障などの病気の可能性があります。
メガネが必要になる視力
メガネが必要だと判断する目安は、実は個人によって異なります。
というのも、メガネの役割は理想の視力を作るためだからです。理想の視力を作るためには、その人が「どう見えるようになりたいか」を知る必要があります。
たとえば視力が0.3〜0.7の近視である場合は、遠くをよく見たいときだけメガネを使用して、0.3より低い近視の場合は、外で歩くときなどほとんどの場面でメガネを使用することが理想と言えます。
仮に、小学生の子どもの目が悪くなって黒板の文字が見えにくくなっている場合、授業中だけ使う用にメガネを作成するという方法も考えることができます。
また、普通自動車免許を取得するためには「両目の視力が0.7以上」と法律で決まっているため、この基準を満たしていない場合は、メガネを使って基準まで視力を引き上げる必要があります。
大切なのは、視力の数値だけでなく、日常生活での見え方や目の疲れ具合です。「メガネは、より快適に過ごすためのツール」という視点で、自分に合ったメガネを選んでみましょう。
千里堂は「見る距離に応じた度数」をつくるために問診に1時間以上かけています
「適切な度数」とは?それは「見る距離に応じた度数」のことです。
では、見る距離に応じた度数をどうやってつくるのか?
ここからは、メガネ店によって考え方が分かれるところです。というのも、問診のやり方・視力測定の技術・レンズ作製の技術は、店舗によって違いがあるからです。
「あなたは、どの距離が良く見えるようになりたいですか?」
千里堂のメガネづくりは、まずその話からスタートします。
しかも徹底的に、その人のライフスタイルにフォーカスして、どの距離で目を使うことが多いのかを分析します。
ヒアリングには90~120分かけています。常識外れかもしれませんが、それくらい時間と手間をかけなければ、その人に合うメガネはつくれないと信じています。
「メガネがしっくりこない」とお悩みの方へ
千里堂は、徹底したヒアリングと緻密な視力測定で、あなたに合う一生モノのメガネをご提案します。まずは一度、無料の視力測定をお試しください。体験すれば、メガネ選びの常識が変わります。