弱視

千里堂ブログ

弱視とは?原因・症状・治療法を分かりやすく解説。視力改善の極意を弱視用メガネのプロがお伝えします。

弱視という言葉は、医学的には「視力発達が阻害された低視力」を指します。たとえば遠視などが有名です。こういった状態は、メガネをかけてもほとんど視力が出ない状態ですが、早期発見と早期治療によって改善できる可能性が高いです。

この記事では、弱視のお子さんのための特別なメガネを作ってきた千里堂が、あらためて弱視の基本的な定義・特徴・診断方法を解説するとともに、いますぐ行動を起こすためのアクションポイントをお伝えします。

この記事を監修しているのは、小さい頃に弱視を患った千里堂のスタッフです。弱視で困っている子どもを一人でも助けたいという想いから、治療用のメガネを子どもにかけ続けてもらうための“極意”も書いているので、ぜひ最後までお付き合いください。

弱視の原因

視力の成長期に、何らかの原因によって正常な視力の発達が妨げられ、眼鏡をかけてもよく見えない状態を「弱視」と呼びます。

  • 不同視:両目の視力差が大きい
  • 斜視:目の向きがずれる

不同視弱視

不同視とは、左右の目の屈折度(遠視、近視、乱視の度数)に大きな差がある状態を指します。

たとえば遠視の弱い方の眼はピントがあいますが、遠視の強い方の眼はピントが合いません。この状態が続くと、遠視の弱い方の眼ばかりを使うようになり、遠視の強い方の目の発達が遅れて弱視となってしまうことがあります。これが遠視性不同視弱視です。

斜視弱視

斜視弱視は、目の向きがずれる斜視が原因で視力の発達が妨げられ、眼鏡をかけても十分な視力が得られない状態を指します。「眼球を動かす筋肉のバランスがうまく取れない」「生まれつき目の筋肉や神経に異常がある」「目の病気やけが」が主な原因として挙げられます。

子どもの弱視を家庭で発見する方法

  • テレビを観るとき、いつも近付いて見ている
  • 転びやすい
  • よく物にぶつかる
  • 目の前の小さなものをつかみ損ねることが多い
  • 近くでの作業(ぬり絵やお絵かき)をしていても、すぐに飽きてやめてしまう
  • 片方の目を隠すと嫌がる
  • ものを見るときに首を傾けている

弱視を病院で診断する方法

弱視は、専門的な検査が必要となるため、眼科を受診することが大切です。早期発見・早期治療が重要ですが、弱視は自覚症状が乏しいため、定期的な眼科検査を受けることが大切です。6歳頃までに治療を完了すれば、視力1.0まで回復する可能性があります。

【弱視の診断基準】

  • 眼鏡矯正視力が1.0未満
  • 両眼視機能に異常がある
  • 弱視の原因となる眼疾患がない

弱視の診断には、以下の検査が行われます。

1. 視力検査

視力検査は、弱視の診断の基本的な検査です。ランドルト環(C字)や絵、縞模様などの視標を用いて、視力を測定します。

2. 屈折検査

屈折検査は、遠視、近視、乱視などの屈折異常を測定する検査です。目の屈折状態を調べることで、眼鏡やコンタクトレンズで矯正できるかどうかを判断します。

3. 眼位検査

眼位検査は、目の向きを調べる検査です。斜視など、目の向きがずれる異常がないかどうかを確認します。

4. その他の検査

必要に応じて、眼底検査やOCT検査など、目の内部の状態を詳しく調べる検査が行われることもあります。

【治療の成功率】
弱視の治療の成功率は、早期発見・早期治療が重要です。3歳頃までに治療を開始すれば、視力1.0まで回復する可能性が高いです。

弱視の治療

主な弱視治療は以下の3つが挙げられます。弱視の治療は、長期にわたる場合が多いです。視力の発達期が終わるまで、根気よく治療を続けることが重要です。

1. 眼鏡やコンタクトレンズ

屈折異常を矯正することで、網膜に鮮明な像を結ぶようにします。弱視治療の第一歩となります。

2. 視力訓練

弱視の原因となっている目の機能を改善するための訓練です。遮光療法や視能訓練など、様々な方法があります。

  • 遮光療法:健眼を遮断し、弱視眼の使用を促す
  • 視能訓練:立体視や動体視などの視覚機能を向上させる

3. 手術

斜視など、目の構造的な異常を矯正する手術です。必要に応じて行われます。

治療の費用は補助金も出る

弱視の治療費は、いくつかの条件を満たせば、自治体から補助金を受けられる場合があります。自治体によって異なりますが、一般的には、治療費の一部または全部が補助されます。

弱視の治療費の補助金制度は、自治体によって異なる場合があります。詳しくは、お住まいの自治体の窓口にお問い合わせください。最新の情報は、厚生労働省や公益財団法人日本眼科学会などのウェブサイトで確認してください。

【まとめ】子どもが弱視のときの対処法

まずは眼科に行こう

眼科で正式な診断を下してもらう必要があります。今後どうするべきかについては先生と相談しましょう。自宅で実践できるビジョントレーニングを教えてもらったり、ビジョントレーニングができる施設を紹介してもらったりできるかもしれません。

ちなみに千里堂網走本店にはビジョントレーニングのトレーナーがいます。遠視や弱視の方へのアドバイスができるので、お気軽にご相談ください。

処方箋をもとに専用メガネをつくろう

眼科の処方箋をもとに、メガネ店で弱視改善の専用メガネをつくります。

どんなメガネ店でつくろうか迷っている方は、千里堂網走本店にご相談ください。わたしたちは、次のような特徴があります。

  • ロービジョンのスタッフがメガネを作製するので子どもの気持ちに寄り添える
  • 処方箋通りのメガネだけでなく、見る距離に応じたメガネを作って目の負担を和らげる
  • お子さんの目の使い方のクセを分析し、適切なビジョントレーニングが実施できる

早期発見で視力改善するポイントは「メガネをかけ続ける」こと!

どうすれば遠視を改善できるのか? 答えはシンプルで、起きている間はずっとメガネをかけ続けていること。これを徹底するのがとっても大切なのです。

ちなみにわたしは、嫌で嫌で仕方なくて、メガネをちゃんとかけ続けることができませんでした。残念ながら、片眼の遠視が治らず今に至ります。他の子にはそうなってほしくないので、親御さんの理解と協力が不可欠です!

子どもに弱視用メガネをかけ続けてもらうためのコツ

わたしはこれまで数多くのロービジョンのお子さんと関わってきました。その経験から、どうすれば一人でも多くの子どもが、メガネをかけ続けてもらえるのかについて知識を共有します。

①子どもに好きなデザインを選ばせてあげる

親御さんのなかには、「こっちのほうが似合うんじゃんない?」という親心でデザインを選ぶ方がいらっしゃいます。

お気持ちはとってもよくわかるのですが、お子さんは大人が思っている以上に「好き」に対してこだわりが強いため、「好きじゃないから、いらない」という気持ちがはたらき、メガネをかけてくれなくなります。

大人の目線で「似合う、似合わない」を決めるのではなく、お子さんが「これがいい!」と選んだものを、どうか全力で肯定してあげてほしいです。そうすると、お子さんも納得してメガネをかけ続けるようになります。

メガネをかけ続けていることを毎日ほめてあげると、なおよいかもしれませんね。

②論理的な話はしない

「このメガネをかけ続けないと、目が見えなくなっちゃうんだよ!どうして事の重大さがわからないの!」

メガネをかけたがらない子どもに、ついそんなことを言ってしまう人もいると思います。

でも、小さい子どもに大人の理屈は通用しないのが現実です。彼らは「嫌なものは、嫌!」という子どもなりの理屈で動いているので、いくら言っても聞いてくれません。

遠視用メガネは、かけたからといって見え方が即座に変わるわけではないので、顔に違和感のあるものを装着する不愉快さのほうが、はるかに勝ります

だからこそ、少しでもメガネをかけるモチベーションを維持してもらえるように、子どもが「好き」と思ってくれたメガネをかけさせてあげてほしいのです。

子どもの弱視用メガネをつくるなら「子ども用フレームのサイズとカラーが豊富」なお店を選ぼう

早期発見で遠視を改善するには、とにかくメガネをかけ続けること。だからこそ、お子さんがメガネを気に入ってくれるかどうかが重要なカギになります。

したがって、遠視用メガネをつくる際は、子ども用メガネの品揃え(フレームデザイン・サイズ・カラー)が豊富なお店を優先的にチェックすることをおすすめします。

とくにサイズはとても大事です!ジャストフィットなメガネが遠視改善の可能性を大きく左右すると言っても過言ではありません。

サイズが合わず、ずりおちたメガネだと、お子さんはレンズを通さないでものを見てしまうので、意味がなくなってしまいます。

子どもが「これがいい!」と自分で選んだフレームで、気分をアゲさせる。そのためには、できるだけ選択肢が多いほうがよいと思います。これから行こうとしているメガネ店の、子ども用メガネの取り揃えをまずは確認してみましょう。

下調べにお子さんを連れて行って、気に入ったフレームがあるかどうかあらかじめチェックするのもいいかもしれませんね。

千里堂網走本店は弱視のスタッフがメガネをつくるので最大限気持ちに寄り添う

以上、子どもの遠視とメガネについて取り上げました。

片目が見えないことの苛立ちや不安、メガネをかけることの不快感。

弱視になった幼い子どもが抱く感情は複雑で、“普通にものが見える”大人には、なかなか理解できないものです。

今回、記事に登場した千里堂網走本店のスタッフ増子は、自身が幼い頃に遠視となった経験から、ロービジョンの子どもに寄り添うメガネづくりを行っています。

ロービジョンのお子さんの目の負担を減らす専用メガネもおまかせください!

もちろん大人の方の弱視用メガネもお作りいたします。まずは一度、お気軽にお問い合わせください。北海道外の方のご来店も心よりお待ちしております。

【アクセス】
女満別空港から車で約26分

【基本情報】
〒093-0014 北海道網走市南4条3丁目3
TEL : 0152-44-2233
MAIL : abashiri@senrido.co.jp

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定休日:元旦のみ
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