少年団や学校での練習時間は限られています。でも、練習をしないと上達できない…
そこで今回は、卓球少年・少女をお子さんに持つ方に、「自宅でできる」そして「卓球台を使わない」をテーマに練習方法をご紹介します。
練習前に確認したい基本姿勢やラケットの握りから、具体的な練習方法まで紹介しておりますので、ご活用いただけると幸いです。
また、卓球に欠かせない「見る力」である、ビジョントレーニングの話もしているのでぜひご覧ください。
トレーニングの前に基礎の確認
既に卓球経験があるお子さんをお持ちの方は「そんなの知ってるよ」と思われるかもしれません。
しかし、基本姿勢とラケットの握り、そして素振りは卓球の練習をより効果的にするために必須のものです。逆に言うと、正しい姿勢、正しい握りができていないといくら練習しても効果が出にくいとも言えます。
そのため、まずは基本姿勢、ラケットの握り、素振りの方法を見ていきましょう。
基本姿勢
基本姿勢は以下のことに注意します。
- 足は肩幅より少し広く開く
- 腰を少し落とし、ヒジとヒザを曲げる(シューズの上にヒザが来るように)
- カカトを床につけ、足裏感覚を身につける(重心はシューズの結び目3つ目に載せる)
- 若干前傾姿勢になる
この姿勢は、相手のボールに素早く反応し動くために必要な姿勢になります。疲れてくると、ついヒザを伸ばしたり腰を落とし過ぎたりと基本姿勢が崩れる場合があります。正しい姿勢を取れているかの判断は、横から少し押してもらい、体がブレてしまうかどうかで判断しましょう。
基礎練習では、体に染み込むまで意識し続けましょう。
ラケットの握り方
姿勢と同じくらい大切になってくる基礎部分の一つが、ラケットの握り方。ここでは、シェイクハンド、ペンホルダーそれぞれの握り方のコツを紹介します。
シェイクハンド
シェイクハンドはその名の通り、握手するように握り、手首の柔軟性を保つことがポイントです。具体的には、人差し指全体と親指でラケットの面を挟むように持ちます。
さらに、ラケットのヘッドを相手の方に向け、力を抜いて握ることが重要です。確認方法としては、力が入り過ぎている場合はヘッドが上がったり、外側(内側)に倒れてしまっている時はNGです。
ペンホルダー
ペルホルダーについても、その名の通り横からペンを握るように握ります。この時、少しゆとりが出るように軽く握ることがポイントです。中指、薬指、小指は丸めて裏面に添えることがポイントで、手のひらとラケットの間にピンポン球が一つ入るだけのスペースを開けましょう。
素振りのポイント
正しいフォームを身につけることも大切です。ここではフォアハンド、バックハンドそれぞれのフォームを身につけるためのポイントを見ていきましょう。
フォアハンド
フォアハンドの素振りをする時のポイントは以下の通りです。
- 利き腕側の足に重心をかける
- スイングは重心を前に押し出しコンパクトに振る
- ヒジは伸ばさないように気をつける(インパクト時は90度)
- バックスイング(振りかぶり)はコンパクトにする
この時、ラケットを握っていない側の手がブレてしまうとフォームが安定しないため、慣れないうちはボールを3つ握るか、ペットボトルを握って動かさないようにしながら素振りをするようにしましょう。
バックハンド
バックハンドの素振りをする時のポイントは以下の通りです。
- 体の中心に重心をかけて、重心移動はしない
- 手首を固定して、ラケットの面を相手に向けてスイングする
- ヒジを前に押し出し体の正面でインパクトする
バックハンドは球を体の正面(もしくはやや左)で取ります。そのため、フォアハンドに比べてヒジを前に出してラケットを押し出すように力強くインパクトすることが大切です。
自宅でできる卓球台を使わない基礎トレーニングを3つ紹介
ここでは、自宅でできる、しかも卓球台を使わない基礎的なトレーニングを3つ紹介します。
フォア・バック交互の球突き
慣れないうちはフォアのみ、バックのみの球突きで問題ありません。この練習では、面の出し方がわかるだけでなく、打球感覚を身につけることができます。
一定のリズムで球突きができるようになるまで片方の面で繰り返し、慣れてきたらフォア・バック交互にできるようトレーニングしていきましょう。
フォア・バック交互の壁打ち
このトレーニングも、慣れないうちはフォアのみ、バックのみで行います。この壁打ちでは、集中力を鍛えることができます。また、後ほど紹介する周辺視野の能力も同時に鍛えることができるのでオススメです。
さらに、自分が打ったボールがそのまま返ってくるため、ボールのコントロールをするには最適なトレーニングと言えます。
階段でのラリー
家に階段がある方は、階段に向かってラリーをすることも効果的なトレーニングです。やり方としては階段の前でしゃがみ、目線より一段低い階段に打ち込みラリーを続けます。
この時のポイントは、狙っていない場所に当たって不規則な球が返ってきたとしてもラリーを続けるという事です。実際の試合では、思わぬ球が飛んでくる場面が多いため、瞬間的な判断力を身につけるためにも、球に食らいつくようにしましょう。
基礎練習と併用できるビジョントレーニング
卓球になぜビジョントレーニングが必要なのか
卓球は他の球技と比べ、ラリーのスピードが桁違いに速いです。また、球のスピードそのものも速く、回転がかかることから予想外の動きをすることもあります。
そんな速い球、不規則な跳ね方に対応するためには、体の動かし方だけでなく「見る力」が必要となるのです。しかし、試合中に見てから考える余裕なんてありません。
だからこそ、普段の練習から「ビジョントレーニング」を意識して行う必要があるんです。
ビジョントレーニングについて詳しくは以下の記事で解説しておりますので、そちらをご覧ください。
基礎練習で鍛えることができる「見る力」
ここでは、今回紹介した基礎練習で鍛えることができる「見る力」について解説させていただきます。
周辺視野
周辺視野とは、目の端に映るものをキャッチする能力です。この力は壁打ちをする際に鍛えることができます。卓球はボールだけを見ていては、相手の動きに対応できません。相手選手の打ち方を見つつ、球は視界の端で捉えることも必要となるため周辺視野は大切な能力と言えます。
眼と手の協調性
眼と手の協調性とは、見た瞬間に手が動く能力です。先ほどお話したように、卓球は見てから考え、行動するまでの時間が極端に短いです。そのため、見た瞬間に手が動くように体に染み込ませる必要があります。その基礎的な部分として、素振りや階段でのラリーを紹介させていただきました。
視覚化
視覚化とは、頭の中で思い描く能力です。素振りを行う際や、壁打ちを行う際には自分が試合でどう動くか、どんな球に対して今の球を返しているかをイメージすることができます。この視覚化の能力を鍛えることで、試合で想定していた球が飛んできた時にベストな返球ができるようになります。
まとめ
今回は卓球の基礎練習について紹介させていただきました。その名の通り、全ての練習の基礎となる部分なので、初心に帰る時にこの記事を参考にしていただけると幸いです。
その他の卓球のトレーニングについては、以下の記事で紹介しておりますので、お役立ていただけると幸いです。
更に本格的にパフォーマンスを向上させたいのであれば、ビジョントレーニングを行うことができる施設や、視覚機能の専門家であるオプトメトリストを訪ねることをおすすめします。
千里堂網走本店では、専門家がスポーツビジョントレーニングに取り組んでいます。
プロアスリート向けの本格的な訓練から、子ども向けの楽しく取り組めるものまで幅広いので、興味があれば千里堂本店まで是非お問い合わせください。