卓球の練習は、実は家でも本格的にできます。卓球台がなくても大丈夫。わざわざ体育館に足を運ばなくても、球を正確に打ち込むための基本フォームを鍛えられますよ。
そこで今回は、自宅で一人で行う練習メニューと、一人練習のコツを解説いたします。また、他のプレイヤーと差がつきやすいビジョントレーニングについても解説させていただきますので、ぜひお役立てください。
自宅でできる基礎練習「フォア・バックでの壁打ち」
基礎練習の一つである壁打ちを、フォア・バックハンドそれぞれ交互で行えるようにする練習です。
まずはフォアのみ、バックのみでそれぞれ練習し、安定して壁打ちができるようになったらフォアハンド、バックハンドを切り替えた壁打ちを行うようにしましょう。
この壁打ちでは、集中力を鍛えることができます。また、後ほど紹介する周辺視野の能力も同時に鍛えることができるのでオススメです。
さらに、自分が打ったボールがそのまま返ってくるため、ボールのコントロールをするには最適なトレーニングと言えます。
以下の記事では、今紹介した練習方法以外にも卓球台無しでできる自宅での練習方法、基本姿勢からラケットの握り、素振りのフォームについて解説しています。併せてご覧ください。
自宅のテーブルでもできる、マシンを使用した回転への対応練習
卓球で使うマシンには、回転機能がついているものが多く、上回転、下回転に対する返球方法を練習することができます。
卓球の試合では特に回転のかかっている球にどう対応するかという力が求められます。マシンはその回転を作り出すことができ、より実戦的な練習が可能です。自宅にある大きめのテーブルで回転の感覚を掴み、卓球台を使用する際スムーズに打てるよう練習していきましょう。
打ち返す時のポイントは、ボールがマシンから出た瞬間にラケットを引くという点です。実戦でも、相手のインパクトの瞬間にラケットを引きますよね。
このように、以下の記事ではマシンを利用した練習方法を紹介しています。具体的なマシンの特徴や値段も紹介しておりますので、マシンが気になっている方はぜひご覧ください。
自宅でできるサーブ練習「サーブを切る感覚を掴む」
サーブの中でも基礎的な部分である、切る(下回転)の感覚を掴むためのトレーニングです。
これは椅子に座ったままできる方法で、手順は以下の通り。(右利きの場合)
- 右手にラケット、左手にボールを持つ
- 手の甲を机につける
- 左手でボールを投げて、右手の手の甲をテーブルにつけたまま、落ちてくるボールを切る
まずはボールを投げて、落ちてくるタイミングを掴めること。その次に、ラケットに当てることができることと段階を踏んだ目標を立てて行っていくと、自然にできるようになっていきます。
以下の記事では、今紹介したような自宅でできるサーブの練習について解説しています。サーブの際に必要となる「見る力」についても紹介しているのでぜひお役立てください。
ドライブ練習「フォア・バックで回転をかける感覚を掴む」
ドライブの最も基礎となる、回転をかける感覚を養うためのトレーニングです。
やり方としては、サーブのようにボールを投げ上げ、ナナメ45度から切るようにラケットを下から上に当てる方法になります。フォア・バック両方ともやることは同じで、上回転をかける感覚を掴むことを目的にします。
もちろん卓球台があれば一番理想ですが、小さめのテーブルと壁があればできる練習なので、日常的に行うことができます。
以下の記事では、ドライブに絞った練習方法を紹介しています。フォア・バックハンドでのドライブのポイントにも触れていますので、ご覧ください。
自宅でできるフットワーク練習「3歩動を身につける」
卓球のフットワークの基本は3歩で動く3歩動です。利き腕側の足から3歩交互に出す方法で、体の軸を動かさないまま移動することがポイントになります。
また、1歩目を出した際、3歩目をイメージしてその間に2歩目を入れるような感覚で足を出すとスムーズに動きやすいです。
最初は難しく、意識しないとできるようになりません。まずは利き腕側にゆっくりとステップを踏んで、慣れてきたら逆側、両方ともできるようになったらスピードを上げると段階を踏んでいきましょう。
以下の記事では、フットワークを中心としたトレーニングを紹介しております。また、フットワークと一緒にできるビジョントレーニングについても紹介していますので、併せてご覧ください。
自宅でできるスマッシュ練習
テーブルでワンバウンドさせてスマッシュ
大きめのテーブルで、自分のスマッシュのポイントを掴むための練習です。自分でボールをワンバウンドさせて、スマッシュを打ちます。可能であれば、ネットへの距離と高さ(奥行き1.37m、高さ15.25cm)の位置に印をつけて、壁打ちをしましょう。
以下の記事では、スマッシュに絞った練習方法を紹介しています。スマッシュとドライブの違いや、スマッシュのポイントにも触れていますので、ぜひご覧ください。
自宅で出来る卓球に活かせる頭と目を鍛える方法「ビジョントレーニング」
ビジョントレーニングとは、「見る力(視覚能力)」を鍛えるためのトレーニングであり、昨今スポーツ分野や発達障害の分野などで知られているトレーニングになります。
卓球において、ビジョントレーニングが必要となる理由は大きく2つあります。1つは、打った球がすぐに返ってくること。2つ目は、球が回転の影響を受けやすく、球の予測が難しいことです。このことから、卓球においては特にビジョントレーニングの有効性が高くなります。
ここでは、具体的にどのようなビジョントレーニングを行えば良いかをお話していきます。
動きを捉える多球練習
多球練習を行う際は、片方が1球ごとサイドステップで左右に動きます。ビジョントレーニング側は、最初は相手が動いた方へと返球し、慣れたタイミングで相手が動いた方と反対に返球していきます。この時、相手選手のコツは、最初はわかりやすいよう早めの段階で左右に動き、慣れてきた頃には打つ直前に打ちます。このトレーニングでは「周辺視野」の能力を向上させることができます。
色分け返球
これは白とオレンジのボールを混ぜ、白は右側、オレンジは左側と瞬間的に判断して打ち分けをしていきます。初めは2色で、慣れてきたらもう1色増やしてセンターへの打ち分けを行うとより効果的です。このトレーニングでは「瞬間視」の能力を向上させることができます。
そのほか、日常でできるビジョントレーニングについては以下の記事で紹介しています。ビジョントレーニングそのものについての解説も詳しくしておりますので、併せてご覧ください。
コラム:ラケットの手入れ
ここでは、日常的な手入れと、ラバーの張り替えの二つに分けてお話していきます。
日常的な手入れ
卓球をする上で、道具をメンテナンスすることはラバーの寿命を伸ばすことに直結します。特に週に1度、2度の練習時間しか取れない場合は酸化によるラバーへのダメージが大きいため、メンテナンスが重要になって来ます。
ここでは、ラバーを長持ちさせるための方法と、具体的な手入れ方法を紹介していきます。
使わない時は、フィルムで保護する
ラバーはその名の通りゴムです。ゴムは空気に触れることで酸化し、劣化していきます。使用していない時は保護フィルムや保護シートを被せることで酸化を防ぐようにしましょう。
練習後はクリーナーで掃除をする
クリーナーとブラシを使用し、メンテナンスを行います。この時、クリーナーの出し過ぎには注意が必要で、拭き残しがあると水分によりラバーの寿命を縮めることになります。
しっかりと拭き取ること、乾燥させてからフィルムで保護することを意識しましょう。また、粘着性のラバーを使っている人は、粘着力の落ちないクリーナーを選ぶことをオススメします。
ラバーの張り替え
ここでは、ラバーの張り替えについてお話します。はがす時のポイントと、貼る時のポイントをそれぞれ紹介していますので、参考にしていただけると幸いです。
必要なものは以下の通り。
- 新品ラバー
- ハサミ(ゴムも切れる切れ味の良いもの)
- 接着剤(専用のもの)
- スポンジ(できれば専用のもの)
これに加えて、ドライヤーがあれば乾く時間を短縮でき、ローラーがあれば綺麗に貼れます。
はがす時のポイント
ラバーは下側、斜めからゆっくりはがしましょう。勢い良く剥がすとラケットの木の部分もはがれてしまいます。
剥がし終わったら、ラバーの切れ端を使ってラケットの表面について接着剤のカスを取ることをおすすめします。
貼る時のポイント
接着剤を塗って、10分以上乾かします。(白い接着剤が半透明になればOK)10円玉〜500円玉くらいの大きさになるように接着剤を垂らし、スポンジで伸ばしていきます。(ラバーの裏面と、ラケットの貼り付ける側に塗る)
その後、貼り付けになりますが、貼り付ける時に空気が入らないよう注意しましょう。ラケットのグリップ部分にラバーの端を合わせて、真っ直ぐ貼ります。
貼った後に、ラケットに沿って切っていきます。この時はハサミだけでなく、ラケットも動かしながら切るようにしましょう。
まとめ
今回は初心者や小学生が自宅でできる卓球のトレーニングメニューと、コツを解説させていただきました。ご自宅の環境と、お子さんに合う練習がありそうでしたら是非お役立てください。
更に本格的にパフォーマンスを向上させたいのであれば、ビジョントレーニングを行うことができる施設や、視覚機能の専門家であるオプトメトリストを訪ねることをおすすめします。
千里堂網走本店では、専門家がスポーツビジョントレーニングに取り組んでいます。
プロアスリート向けの本格的な訓練から、子ども向けの楽しく取り組めるものまで幅広いので、興味があれば千里堂本店まで是非お問い合わせください。
ビジョントレーニングがどのような分野で活用されているかは、以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。