サーブは第一の攻撃、と言われるほど重要です。試合の中で唯一、自分で回転を作りコースを決めて打てる瞬間で、このサーブの良し悪しでチャンスを生み出せるかが決まります。
ですが中々思うように打てないのもサーブの特徴。そこで今回は、一般的に使われているサーブの種類と、初心者小学生にオススメのサーブを紹介し、お子さんが自宅でできるトレーニングを紹介させていただきます。また、試合で役に立つ「見る力」についても併せて紹介していますので、ぜひお役立てください。
サーブの種類と特徴
ここでは基本的なサーブの種類と特徴についてお話しします。ここで紹介するサーブをベースに、回転をかけたりコースを選定してサーブを打つことになります。
フォアサーブ
卓球のサーブの中で最もスタンダードなサーブがこのフォアサーブです。その名の通りフォア側(ラケットを持っている側)で、ラケットの表面で打つサーブになります。
バックサーブ
ラケットのバック側で打つサーブで、フォアサーブに比べて使用している選手が少なく、対応し辛いサーブになります。さらに、フォアサーブに比べ難易度が低く、安定して相手のコートに球を入れられることが特徴。
しゃがみこみサーブ
しゃがみこみサーブはその名の通りややしゃがみこんでサーブを打つ方法です。特徴としては、体全体を使うことで強い回転をかけることができるサーブになります。
難点としては、サーブ後セットポジションに戻るまでに少し時間がかかるので相手の攻撃に対応し辛くなる点です。
巻き込みサーブ
ボールの外側から自分の体側に巻き込むように打つサーブです。腕だけでなく、手首も内側に巻き込むように打つことで逆横回転をかけることができます。
回転(上・横・下)をかける際の動きがほぼ同じため、相手に回転を読ませにくいという特徴を持ちます。
YGサーブ
YGはヤングジェネレーションの略で、逆横回転をかけるサーブになります。ヤングジェネレーションと言っても1990年代に出てきたサーブなので、ヤングじゃない世代でも使われます。
ヒジを支点にして内側から外側にひねりながら打つサーブで、利き腕と逆側の回転になることが特徴のサーブ。非常に難易度が高いサーブであり、レベルの高い技術であるため使用している選手が少なく、取得すれば対応され辛いサーブとして使うことができます。
ハイトスサーブ
自分の頭を超えるほど高くまで球を上げるサーブで、ボールに伝える力を強くできること、相手のレシーブタイミングを崩すことができることがポイントです。
初心者が覚えたいサーブの打ち方とポイント
ここでは、先ほど紹介したサーブの中から特に初心者にオススメしたいサーブの打ち方について詳しく紹介します。共通して言えることは、ネットの高さギリギリの低いサーブを打つ必要があるということ。そして短いサーブを打つこと。
フォアサーブのポイント
最も基本的なサーブなので、まずはフォアサーブを身につけましょう。基礎的なルールですが、トスは16cm以上上げる、台の外側で相手に見えるようにボールを構えるなど、サーブのルールも多いので最初はフォアサーブでルールを身につけていきます。
打つ時のポイントは、自分の右斜め前で打つことがベストポジション。そしてラケットを水平に構えて面を上にしスイングをすることで下回転をかけたフォアサーブを打つことができます。(下回転をかけることで球が伸びず、短いサーブにすることができる)
しゃがみこみサーブ
子どもは大人と比べて力が弱く、サーブで強い回転をかけることが難しいです。そのため、しゃがみこみサーブで体全体を使って回転をかけることで有効なサーブを打つことができるようになります。
小学生のしゃがみこみサーブのポイントは、台と胸の位置を同じくらいの高さになるくらいしゃがみこむこと。スイングを素早くし、台に叩きつけるイメージで打つとより強いサーブを打てるようになります。
自宅でできるトレーニングを3つ紹介
では、実際にどのような練習方法があるのか見ていきましょう。自宅でできるサーブのトレーニングを3つ紹介します!
切るサーブの練習方法
これは椅子に座ったままできる方法で、手順は以下の通り。(右利きの場合)
- 右手にラケット、左手にボールを持つ
- 手の甲を机につける
- 左手でボールを投げて、右手の手の甲をテーブルにつけたまま、落ちてくるボールを切る
いきなり全ての動作を行うことは難しいので、まず右手と左手で別々の動きができること、落ちてくるボールをラケットで捉えられることなど段階を踏んで練習していくようにしましょう。
低いサーブを出す練習方法
テーブルを使った方法で、ネットの高さより5〜10cm上を狙ってサーブを出していきます。ポータブルネットをお持ちの方は、テーブルにセットしてそこから5〜10cm上に印(テープやダンボールの切れ端など)を、お持ちでない方はテーブルから20〜25cm上に印をつけます。
下回転をかけ、印とネットの間を通すようにサーブを繰り返していきます。この時注意したいポイントは、先ほど紹介したボールを切る感覚で打つこと。言わば、切るサーブのトレーニングの実践編ですね。
ひたすら同じサーブを出す
これは卓球台や大きめのテーブルがある場合の練習方法です。内容は、ひたすら同じサーブを出し続けること。確かなコントロールを身につけ、狙ったところにボールを打てるようにしましょう。
最初は打ちやすい箇所へ打ち続け、安定したサーブができるようになったら写真の①〜⑥番の位置にサーブを打ちます。
サーブにおけるビジョントレーニングの重要性
卓球になぜビジョントレーニングが必要なのか
卓球は他の球技と比べ、ラリーのスピードが桁違いに速いです。また、球のスピードそのものも速く、回転がかかることから予想外の動きをすることもあります。
そんな速い球、不規則な跳ね方に対応するためには、体の動かし方だけでなく「見る力」が必要となるのです。しかし、試合中に見てから考える余裕なんてありません。
だからこそ、普段の練習から「ビジョントレーニング」を意識して行う必要があるんです。
ビジョントレーニングについて詳しくは以下の記事で解説しておりますので、そちらをご覧ください。
サーブに必要な視覚能力(見る力)
眼球運動
眼球運動とは、高速で動くものを目で追いかける能力です。自分が打ったサーブが、狙い通りの場所に行っているか、どのように球が返ってきているかなど、ボールを見続けるには眼球運動の能力が欠かせません。
深視力
深視力とは、距離感を測り、位置の違いを見極める能力です。アウトコースギリギリのサーブを狙ったり、相手が取りにくい位置に球を返すためには距離感を測る深視力が必要不可欠です。
視覚化
視覚化とは、頭の中で思い描く能力です。自分がサーブをする時に起きるミスは100%自分によるものです。視覚化の能力を鍛えることで、自分のミスを減らし理想のコースへ球を導く準備をすることができます。
ビジョントレーニングの具体的な方法は以下の記事でまとめてあります。お子さんに必要と思われる部分を参考にしていただけると幸いです。
まとめ
今回は自宅でできるサーブの練習方法と、ビジョントレーニングについて紹介させていただきました。試合を優位に進める第一歩のサーブ、紹介した中でお子さんに合う練習方法があればぜひ取り入れてください。
その他の卓球のトレーニングについては、以下の記事で紹介しておりますので、お役立ていただけると幸いです。
更に本格的にパフォーマンスを向上させたいのであれば、ビジョントレーニングを行うことができる施設や、視覚機能の専門家であるオプトメトリストを訪ねることをおすすめします。
千里堂網走本店では、専門家がスポーツビジョントレーニングに取り組んでいます。
プロアスリート向けの本格的な訓練から、子ども向けの楽しく取り組めるものまで幅広いので、興味があれば千里堂本店まで是非お問い合わせください。
ビジョントレーニングがどのような分野で取り入れられているかは以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。