「ねぇ、ドライブってどうやったら打てるの?体育館だと、皆で台を使うからあんまり練習できないんだ…回転上手くかけれなくて」お子さんから相談された時、どう答えますか?
攻撃の起点ともなる「ドライブ」、実は卓球台無し、自宅でも練習することができるんです。
この記事では、まず基礎的な部分となるフォア・バックドライブの違いから、ご自宅でできるドライブのトレーニング方法を紹介し、試合で勝つために必要な「見る力」についても紹介しています。
卓球で伸び悩んでいるお子さんがいる方や、もっともっと上達して欲しい親御さんはぜひお役立てください。
フォア・バックそれぞれのドライブの違い
ドライブは基本的に上回転をかける打ち方のことを言います。上回転がかかっていることから、相手のコートでバウンドした際、奥側に伸びる球になることが特徴。フォア側、バック側それぞれに特徴があるので見ていきましょう。
フォアを使うポイント
フォアハンドでのドライブは、ボールに対してラケットを上から被せ、ボールに上回転をかける打ち方です。卓球の中でもスタンダードなテクニックであり、必須となる打ち方になります。
ポイントとしては、体全体を使い、特に膝の曲げ伸ばしを意識することが重要。打つ直前まで右足に体重を乗せ、打つ瞬間に左足へ体重移動をして打つとドライブがかかりやすいです。
使う場面としては、ラリーの中で攻撃を仕掛ける時に使うことができます。
バックを使うポイント
バックハンドでのドライブは、回転をかける際、ひねる必要があるので少し難しいです。やや下気味(腰らへん)にラケットを構え、ラケット面は斜め下向きに。手首を返すように回転をかけるのがポイントです。
バックのドライブであれば、相手の上回転、下回転にも対処がしやすく習得すれば試合で相手からのドライブを返す時に役に立ちます。
自宅でできるトレーニングを3つ紹介
この項目では、自宅でできるドライブのトレーニングを3つ紹介します!卓球台が無くとも、家のテーブルでできる練習だけを紹介していますので、ぜひお試しください。
回転をかける感覚を掴むトレーニング
ドライブの最も基礎となる、回転をかける感覚を養うためのトレーニングです。
やり方としては、ラケットとボールを持って、サーブのようにボールを投げ上げ、ナナメ45度から切るように回転をかける方法です。フォア・バック両方ともやることは同じで、上回転をかける感覚を掴むことを目的にします。
小さめのテーブルと壁があればできる練習なので、日常的に行うことができます。
ドライブのタイミングを掴むトレーニング
テーブルの奥側からボールを転がし、ボールが落ちてきた瞬間にドライブを打つ練習方法です。少年団や体育館などで卓球台を使える場合は、二人一組(サーブ側とドライブ側)の基礎練習としても行える内容になります。また、後ほど紹介する深視力を鍛えることもできるトレーニングです。
フォアドライブを打つ時のポイント
- 中指、薬指、小指方向に引く(傾ける)ようにする
- テーブルから離れず、打つ時にはテーブルとつま先を台の角に向ける。
- 打つ時はヒジから先を瞬間的にたたむイメージで打つ
- 足はバックスイングの際、右側に踏み込む(右利きの場合)
バックハンドドライブのポイント
- 親指を外側に回すイメージ(100度くらい)
- ヒジは回すだけで動かさない
- 左手はインパクトしたい位置に置いておく(大体胸から30〜40cm離れたところ)
ボールの飛び方を掴むトレーニング
まず床にあぐらで座ります。そして、座った時の目線より少し低い椅子や台を1mほど離れたところに置きましょう。その後ボールを床に弾ませて、ドライブを打ち、狙ったところに落とせるか、というトレーニングです。
この時、ラケットの向きを打ちながら調整し、インパクトの時に少しひねることを意識して自分が狙いたい箇所に落とせるようトレーニングしていきましょう。
ドライブにおけるビジョントレーニングの重要性
卓球になぜビジョントレーニングが必要なのか
卓球は他の球技と比べ、ラリーのスピードが桁違いに速いです。また、球のスピードそのものも速く、回転がかかることから予想外の動きをすることもあります。
そんな速い球、不規則な跳ね方に対応するためには、体の動かし方だけでなく「見る力」が必要となるのです。しかし、試合中に見てから考える余裕なんてありません。
だからこそ、普段の練習から「ビジョントレーニング」を意識して行う必要があるんです。
ビジョントレーニングについて詳しくは以下の記事で解説しておりますので、そちらをご覧ください。
ドライブに必要な視覚能力(見る力)
眼球運動
眼球運動とは、高速で動くものを目で追いかける能力です。ドライブは当然ながら回転のかかった球です。そのため、返球された場合も不規則な軌道を描いたり、より速度を増した球が飛んでくる可能性があります。そのため、どんな球でも目を切らずに追いかけられる眼球運動の能力が必要になるんです。
深視力
深視力とは、距離感を測り、位置の違いを見極める能力です。ドライブは特にコースが大切になってきますので、インパクトのポイントからどのくらいの力で打つか、どんな回転をかけるかを判断する必要があります。そのためには着地点との距離を測れる目が無いと力の入れどころを誤ってしまいますよね。
視覚化
視覚化とは、頭の中で思い描く能力です。ドライブを打つ際には、球の着地点だけでなく、かけた回転による跳ね方を予測して打つ必要があります。そのため、実際にはまだ目で見えていない状況を頭の中で思い描く視覚化の能力が必要となるわけです。
このように、ドライブを打つ際には多くの視覚能力が求められます。卓球に必要なビジョントレーニングについては、以下の記事で紹介しておりますので併せてご覧ください。
まとめ
今回は自宅でできるドライブの練習方法について紹介させていただきました。最後に、フォア・バックハンドそれぞれのポイントを振り返りましょう。
・中指、薬指、小指方向に引く(傾ける)ようにする
・テーブルから離れず、打つ時にはテーブルとつま先を台の角に向ける。
・打つ時はヒジから先を瞬間的にたたむイメージで打つ
・足はバックスイングの際、右側に踏み込む(右利きの場合)
・親指を外側に回すイメージ(100度くらい)
・ヒジは回すだけで動かさない
・左手はインパクトしたい位置に置いておく(大体胸から30〜40cm離れたところ)
更に本格的にパフォーマンスを向上させたいのであれば、ビジョントレーニングを行うことができる施設や、視覚機能の専門家であるオプトメトリストを訪ねることをおすすめします。
千里堂網走本店では、専門家がスポーツビジョントレーニングに取り組んでいます。
プロアスリート向けの本格的な訓練から、子ども向けの楽しく取り組めるものまで幅広いので、興味があれば千里堂本店まで是非お問い合わせください。
ビジョントレーニングがどのような分野で取り入れられているかは以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。